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知らないことをやるのは自分が成長できるチャンス

――掃除も毎日?

大久保 もちろん! 僕は、部屋が汚れているのが嫌いなんです。汚いと思ったら後回しせずにすぐに片付ける。台所も料理したらすぐに綺麗にしますね。疲れたから明日にしようと思うと、翌朝部屋の汚れが嫌になる。そうすると橙利との生活が楽しくなくなるから、汚れ物はとにかく溜めない。

 橙利との生活で一番気を使ったのは学校とのやり取りですね。連絡帳に「こんな宿題をやらせてください」とか「今日はコンパスを忘れたので気を付けてください」とか。知らんがなあ、もう、って(笑)。

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「食材の管理ができんから買いだめはしない」(「俺は主夫。職業、現役Jリーガー」〈講談社〉より)

 また、「消しゴムがないので持たせてください」とか「ノートがいっぱいになったので新しいものをお願いします」という連絡帳を見るたびに、午後練習が終わったら速攻買いに走りましたね。昨年はコロナ禍もあって店が閉まるのが早かった。いつも閉店間際に飛び込んで、店員さんに「コンパスどこですか」とか、「小学校4年生が使う国語のノートはどれですか」と聞いていましたね。

 僕は人見知りが激しいので、それまではコンビニにも一人で入れなかったんです。ごはんにも一人でいけない。知らない人に声をかけるなんて有り得ないと思っていました。でも、子供のためなら恥ずかしいなんて言っていられないので、シャイな性格も少しは直ったような気がします。

(撮影:深野未季/文藝春秋)

 もちろん、結果を求められるサッカーをやりながら家事や育児をこなすのは大変でしたよ。でも、知らないことをやるのは自分が成長できるチャンスと、楽しみながら息子との父子生活を過ごすことができました。

 子連れ単身赴任生活をして改めて思ったのは妻の偉大さ。息子4人をこうやって毎日育ててきたんですから。それまで家ではほとんど何もやらなかったので、妻にはいつも「息子5人」と言われてましたけど(笑)。いやあ、世のお母さんたちマジ尊敬です。