文春オンライン

「ここおったらヤバイかも!?」「ああ、もう無理や」…家出して大阪・西成に辿り着いた20代男性が現場仕事を飛び続けた“驚きの言い分”

『人生、しばしばホームレス』より #1

genre : エンタメ, 読書

note

 会社によっては、テレビつけるんにもコイン制で100円入れて1時間とかで、暖房とかも100円入れなかからへんとかで、余分な金が出たりする。こういうの利用しよう思ったらどうしても手元にお金なかったらでけへん。

 ここは、ほぼ毎日仕事あったから、前借り結構貸してくれとった。給料も結構よくて、家賃も飯代も引かれて前借りも引かれたりもしたけど、残業もついたかなんかで結構あった。月7、8万はあったんかな。もうちょっとあったんかな。

 それで、「飲みにも行きたい。遊びにも行きたい」とかなって、キャバクラとか風俗とかパチンコ行って遊びまくっとった。

ADVERTISEMENT

また西成に戻ればいいや

 仕事は、もちろん1日中やるからしんどいけど、クソ重たい物は持ったりせんかったし、なんか探してた時に何千万とかじゃなくて何千円とかやけど、何回かお金見つけたりして、「これでお金もらえるんやったら、まあいいか」っていうのでやってた。

 そこで2、3回契約更新して3ヵ月ぐらいおったけど、結局会社にはなんも言わずに出た。

 給料もらってお金持って遊びに行って、全部使って「帰ろ」思ったら部屋に入れんかった。門限じゃないけど深夜やったから、会社に入れんようなっとった。たいして荷物もなかったから「もうええわ」っていう感じで出て、無断で辞める感じになった。

 やっぱり、お金持ったらあった。何社も同じように、遊んで帰れんかったかなんかで辞めてた。

 キャバクラに遊びに行って、いい気分になって、「明日仕事行くのアホらしい。もう帰るんやめた。もういいわ。また西成戻りゃあいいわ。荷物は、もうそのまま置いてったれ」っていう感じで飯場帰らんと辞めてた。

着の身着のままで逃げる

 4、5年ぐらいは土木作業だけしてた。というてもずっと詰めてやってたわけじゃなくってサボりながらしてた。

 大阪に来るまでは肉体労働は正直したこともなかったし、自分は身長が、153センチで低いから、現場によってはほんとにきつかった。

 何十キロもするような現場の資材を1日中運んだり、スコップ持って何時間も穴掘ったり、1日走り回ってた。

 日当が発生するから、普通に考えたら当然のことなんやけど、1日中「動け! 動け!」言うて、急かされたり、 「これ終わったら、次、あれやれ! あれやれ!!」ってもうひっきりなしに指示を受けて、身体を酷使する作業をしてた。