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「仕事出してくれるやろう。出してくれるやろう」思て、「こんだけ出してなかったら出してくれるやろう」とかそんな甘い期待があったけど、最後は諦めて「もうええわ」と思ってた。

「もう出てけ」西成に帰らされる

 朝の現場に行く人間の割り振りの集まりは、「一応行っとかんとあかんやろな」思って、飯場の部屋と会社がちょっと離れてたから、わざわざ歩いて行ってたけど、「今日行ってもまたないやろな」とかそういう気持ちではおった。

 結構部屋広かったから、それでちょっと「アオカン(野宿)するよりはええわ」思って、「帰れ」とか言われるまでは、「どないもでけへんしおろう」って思った。

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 部屋でおったり、コンビニとかでマンガとか週刊誌の立ち読みしたりしてた。

「朝は会社でお味噌汁とご飯と卵とかふりかけとか食べて、昼は、それ持って帰り」って言われてた。

 仕事してもせんでも、家賃と3食の飯分は毎日引かれちゃうから、当然赤字やった。1ヵ月でだいたい9万は引かれる。どんどん赤字ももちろんたまっていくし、もちろん金ないし、京都の飯場やったから「どないしょ!? 出れへんしどないしょ!? 飼い殺しになってる」って思ってた。

 そりゃ歩いて帰りゃあすむけど、お金も一個もなかったし、飯だけは食えるし、そこ出て、次のとこ見つけてもなかったから、「まあ、ちょっとおろうか。おれる時はもうおろう」みたいな感覚やった。

 そんな状況が3ヵ月ぐらい続いて、計算上10万ぐらい赤字になっとったんかな。もっとあったんかもしれんけど、金額がどうのこうも聞かんかった。貯金もないわけやからそんなん返せへんし、仕事出す気ないからこっちもどないもできへん。

 そんな時に「もう出てけ」みたいな感じで、交通費1000円ぐらいもらって、西成帰った。そこには結局5ヵ月か半年ぐらいおった。

別の人間も一緒に寝る飯場と“食われる”シェルター

 飯場は見張られてる感もあるし、落ち着かへん。部屋の鍵あったかどうか知らんけど、鍵いうてもちゃっちい金具ぐらいやろうから、会社側が部屋の中を見ようと思ったら、簡単に壊して見ることもできる。その時は、やっぱりなんやかんや思ってた。

 風呂もトイレも共同で、トイレは、小汚いとこは小汚かった。部屋は、会社によってそれなりにキレイだったり、建物も部屋もボロボロだったり。