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ある日突然、体が限界を迎えて……

――保育園の経営だけでなく、コンサル事業まで。

小阪 保育園が抱えている課題に向き合っていくと、保育士さんが圧倒的に足りていなくて、現場の業務が回っていないという問題にぶち当たるんですよ。

 私は保育補助の経験もあるから、コンサルだけでなく、いろんな保育園の現場に出て子どもたちの面倒を見るようにもなっていって。両方とも手を抜かずに頑張っているうちに、ある日突然、体が限界を迎えて、動かなくなってしまったんです……。

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 だからその後、現場は他の人に任せて、保育専門の制作会社にシフトすることにしました。

©文藝春秋

――保育専門の制作会社ですか。

小阪 これまでの現場経験を活かして、絵本の監修やマニュアル作りなどをしていました。その頃にはもう10年近く保育の現場に携わっていたので、保育士の仕事は正直「やりきった感」がありましたしね。

 制作会社の仕事をしながら少し時間に余裕が出てきた頃、芸能界にいた時の後輩やこれから芸能の道を目指す子たちから、相談を受けるようになっていきました。

芸能界を経験した私だからこそ、役に立てること

――どんな相談を受けていたんですか?

小阪 色々あるんですが……フリーになった子からは「どうやって仕事を取っていけばいいかわからない」とか、芸能界を目指している子からは「どうすればタレントになれるんでしょうか」とか……。周りにそういうことを相談できる人がなかなかいなくて、悩んでいる子がすごく多かったんです。

 保育の事業もやりながらそういう悩みを聞いているうちに、彼女たちの相談に乗る時間が増えてきて。それに対して「芸能界を経験した私だからこそ、役に立てるんじゃないか」とやりがいを感じ始めたんです。

©️文藝春秋

――それで、事業内容をシフトしていったんですね。

小阪 そうなんです。私自身、芸能界で生きるしんどさは身に染みてわかっているつもりなので、「彼女たちの辛さにもっと寄り添ってあげたいな」と。

 そのためには、自分の経験を伝えるだけじゃダメだと思ったんですよね。私自身が本格的なプロのコーチング講師になって、本気で芸能界を目指す子たちのマインドを根本から変えてあげたり、カウンセリングをしたりして人生を好転させてあげようと決めたんです。そこでまずは、私自身が一流のスキルを学ぶために、講師の方に師事しようと考えました。