「うおっ、関水渚!」今クールの月9ドラマ『元彼の遺言状』。綾瀬はるかと大泉洋の凸凹バディ感が心地良いが、心浮き立つキャラがもう一人。二人の捜査に首を突っ込みたがるご令嬢、森川紗英役の関水に嬉しくて声が上がった。
笑顔はもちろんだが、なんとも頑固そうなふてくされた表情も、ものすごく魅力的。波瑠や大野智(嵐)など、仏頂面が素敵な「ムッかわいい」役者さんが大好きな私にとって、彼女はドストライクである。
衝撃だったデビュー作『町田くんの世界』
関水渚の女優デビューは2019年公開の映画『町田くんの世界』。人が大好きな町田くんの行動が、人が苦手なヒロイン・猪原奈々をはじめ、彼を取り巻く人々の世界をやさしく変えていく。そしてラストは思わぬミラクルが起こるという、ファンタジー学園ラブコメ人間ドラマだ。
奇想天外なストーリーにも驚いたが、キャストがとにかく贅沢でビックリ。松嶋菜々子、佐藤浩市、池松壮亮、高畑充希、前田敦子、岩田剛典、仲野太賀(当時の表記は太賀)など、主役級が続々出てイキイキと脇を固めている。エッ、あの役を戸田恵梨香がするの!? とか、もう端々にビッグネームが出演して感情が忙しい。
そして、そのド真ん中にいる主演の二人、誰&誰!?
土がまだついたままの、採れたての新種野菜が丸ごと放りこまれているイメージ。清々しい、瑞々しい、ダイナミック! 脇の実力派俳優が緻密に味付けをしているので、それでいて繊細。
「メインと脇」の反転の図式がそのまま物語のパラレルワールド感を醸し出していたが、それだけではない。この新鮮さと熱量、画面全体から迸る不思議な青春度はなんなのか!
『元彼の遺言状』で見せる見事な“ツンデレぶり”
頭の中に「!」と「?」が飛び交い公式サイトに直行。そこで細田佳央太、関水渚の名を知り、さらにオーディションで選ばれたド新人であることを知った。
ドラマや映画の一番の醍醐味は、素晴らしい才能の覚醒の瞬間を目撃できる喜びだと聞いたことがある。まさにその瞬間を観た気がします!
そんな感動からちょうど今年で4年目。映画で輝いていた関水渚の「ムスッと顔」は今も最大の魅力。『元彼の遺言状』で見事なツンデレぶりを見せる彼女を観て、口角が上がってしまう。