ーーロケハンの苦労を知らずに簡単に聞き出そうとするのは、ちょっとアレですよね。
マキエ SNSで気軽に「お、ここはどこですか?」とか聞かれると、ちゃぶ台ひっくり返したくなりますよ。
創作パートナーでもある、夫との関係
ーー創作活動にはマキエさんの夫の協力も大きいと聞いていますが、出会いというのは? マキエさんが抱いている男性への不信感に、引っ掛からなかった男性というわけですよね。
マキエ 私より10歳下です。仕事先の会社のデザイナーだったんです。
なんか、男臭くないんですよ。私に対して「黙って、あなたについていきます」みたいな人で。だから、一般的な女性からすると、ちょっと物足りなく感じるかもしれないですね。
ーー女性に性器の写真を送ることはもちろんしないし、「グヘヘ……」といったところがない。
マキエ あんまり感じさせないですね。あるのかもしれないですけど。
ーー夫と創作のパートナー、このあたりの境目は曖昧になっているのですか。
マキエ どうなんだろう。分けてる時もあれば、分けてない時もあるかな。ただ、図録とかグッズのデザインなんかは頼んでるので。そういう時は、夫はデザイナー、私はクライアントになってますね。
夫も昭和的な場所とか古い建物、廃墟が好きなので「今度、撮影でここ行きたい」なんて言ってくるんですね。それで許可とれないから却下とか。作品のテーマ的な部分やアイデアまでは介入してきませんけども。
衣装代、旅費、ギャラリー代…活動にかかる「コスト」
ーー商業カメラマンをやっていた頃と比べると、経済的にはどんな感じでしょう。
マキエ 前の方がいいです(笑)。
コロナ前は、請け負い仕事も細々と続いてたんですよ。マキエマキだとバレて切られた会社も多かったんですけど、それでもいいよって発注してくれるところもあって。イベント関係の撮影がメインだったんですけど、それがコロナでパタッと。
そうなると収入源はマキエマキとしての作品しかないわけですよ。コロナになってからは、作品、補助金、給付金で、なんとかしてる状態ですね。