チーム石田総動員で送る大盤解説会
対局場所と同じフロアで大盤解説会が行われた。ネットで募集した250席は1時間も経たずに完売した。大きなスクリーンが前に1つ側面に2つ。対局者の画面に盤面まで映し出す、解説会にとってはこれ以上ない素晴らしい施設だ。
こちらもチーム石田を総動員して準備する。師匠率いる将棋連盟東葛支部のメンバーが受付などの裏方に。そして、メイン解説は高見泰地七段、聞き手が加藤結李愛女流初段、PC操作兼司会進行が私、ゲスト解説で佐々木に三枚堂に門倉啓太五段。奨励会幹事職に専念のため辞退した渡辺大夢六段以外は一門が全員集合した。柏市のお隣の流山市在住で、一門の研究会に参加していただいている岡崎洋七段も加わり、“持ち駒”は豊富だ。
みな休憩時間にはファンの求めに応じて写真撮影していた。将棋ファンを第一に考える師匠の精神を受け継いでいる。鎌田はまだ中学2年ということで解説には参加しなかったが、朝から控室でプロの検討を見学していた。
ところで、今回の叡王戦は板谷一門に縁のあるタイトル戦といえる。中京地域での将棋の普及に貢献した故・板谷四郎九段は、愛知県岡崎市生まれの石田や実子の故・板谷進九段を弟子として育てた。その板谷進九段の弟子が、藤井の師匠である杉本昌隆八段であり、杉本の兄弟子の小林健二九段だ。出口の妻である北村桂香女流初段は小林九段門下であり、したがって彼女も板谷一門だ。板谷四郎九段から見ると、ひ孫弟子とひ孫弟子の夫がタイトル戦で対戦し、会場を弟子が仕切り、解説を孫弟子達が務めている。北村は控室で出口の戦いをずっと見守っていた。
午後2時になり和服姿の師匠が開幕の挨拶をし、大盤解説会が開幕。まずは高見と加藤のコンビでスタート。加藤は大盤解説会での聞き手は初めてだったが、兄弟子達がうまくフォローする。特に高見は加藤が壇上に上がる時に、さっと手を差し伸べる。さすがやねえ。