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「ペラペラの服をまくりあげて、行為となる」

「夕方になると、妖艶な電気が灯って各店が開く。店にもよるが、1階に3、4人の女の子がいて、おっぱいが大きいとか細身とか、客は自分好みの子を見つけて入る。1万円を先払いして、2階の部屋へ。女の子がゴムをつけてくれ、ペラペラの服をまくりあげて、行為となる。20分経つとアラームが鳴る。下に降りると、ママさんがコーヒーを淹れてくれ、飲んで帰る」と。

 木村さんは、「ここ10年ほど行かなくなったのは、年ということもあるけど、女の子が若くて、やる前になんだかんだ喋りよるんですわ。僕は、そういうの聞くの、面倒くさいから」とも。このたびの警告から閉鎖の流れについては、自身が客だったこととの矛盾は棚にあげて、「時代の流れやと思う。もともとやってはあかんことを許してたんが、おかしいでしょ」。

かんなみ新地

 翌々日、かんなみ新地を再訪する。停まっているパトカーに向けて、

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「警察もヒマやのお」

 と声を出す年配男性がいただけで、室外機が満艦飾の建物の光景は変わらず。

 海苔巻きの店を再び覗く。

「ごめんなさい、売り切れなんです」

 と言いながら出てきた一昨日のショートヘアの女性が、「このあいだはありがとうございました」と、私の顔を覚えていてくれた。少々質問させていただく。

元ママの海苔巻き「近所の子どもが買える値段に」

——いつから海苔巻きをやってはるんですか?

「この間からですよ」

かんなみ新地

——警告出る前から?

「いいえ」

——じゃあ、以前はママさん?

「そうですよ」

 風俗の店から商売替えの試運転中だったのだ。取材で来ていると明かしても、「ニュースで(閉店を)知って写真撮りに来よぉ人、毎日いよぉですよ」と、笑顔が続く。

 黒いカットソーの女性が立ち寄り、「がんばってるね、残念、売り切れなんや」と。

「私、思うんやけど、もうちょっと高くしていいんちゃう? 110円はいくら何でも安すぎるわ」とおっしゃったので、「私もそう思います。具いっぱいやし、大きいし、きれいし、おいしいし。倍の値段にしても安いと思う」と加勢する。

「そう言ってくれるのはうれしいですけど、あかん、私どうしてもこの値段でいきたいの」とショートヘア女性。「近所の子どもたちが『おばちゃ~ん』って小銭握りしめてやって来て、買える値段にしときたいの」

「すばらしいー」と、私、思わず。

 つい先日までは、言うまでもなく「子どもに近寄らせられない」エリアだった。ママさん時代の贖罪か。いや、ママさん時代も心やさしき人だったのだ、きっと。そう思うに十分な雰囲気を持つ人なのである。