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ドネア選手とは「会えばすごく仲いいです」
井上 ちょっと、いまの自分のスタイルがいい風にはまりすぎている感じもあるんです。だから、これからの課題は、自分のスタイルが当てはまらなかった選手に対してどうするかですね。
阿川 自分のスタイルが合わない選手と対戦した場合、他のスタイルに変えていくんですか?
井上 いえ、自分のスタイルを貫いた上で、誰に対しても通用するように自分を磨いていきたいです。
阿川 次の決勝戦は元5階級王者という、とてつもない実績を持つレジェンドの(ノニト・)ドネアさんが相手です。
井上 研究は始めてますし、なんとなくこう戦おうというイメージは出来ていますが、それをより具体的にするのはこれからですね。
阿川 ドネア選手とは、かつて試合前にアドバイスをもらったことのある間柄とか?
井上 ええ。会えばすごく仲いいですよ。
阿川 先日のロドリゲス戦が終わった後、リングに上がって、井上選手と向き合ってましたけど、ハンチングなんかかぶって穏やかそうな顔をしてて、「あの人が決勝の相手なの!?」と驚きました。
井上 ボクサーでも本当に強い人はみんな紳士ですよ。相手をリスペクトしているし、パフォーマンスで相手のことを悪く言ったりもないですし。
阿川 井上選手は試合中に、相手を憎たらしいとか思うことはないんですか?
井上 そういう感情はいっさいないです。勝つために何をするかしか考えないですね。憎たらしいとか、余計な感情が入ったら、それができないんですよ。技術を競うアマチュアボクシングの精神が残っているんでしょうね。