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連載NHK大河ドラマ「真田丸」の舞台 真田氏ゆかりの地をめぐる

第11回【蓮華定院その1】昌幸・信繁が高野山に配流になった際、最初に逗留した寺院

『真田三代』 (火坂雅志 著)

2016/10/01

genre : エンタメ, 読書

note

●焼酎書状

信繁が焼酎を所望した手紙

 信繁が九度山に滞在中、真田家家臣・河原左京宛に壷に焼酎を詰めて送ってほしいと手紙に書いて送っている。「焼酎が漏れないように壷に目張りをしてほしい」「壷を2つ送るけど、あればもっとほしい」「お礼に粗末なものだけど、ゆかたびらを進呈する」などと書かれてあるところに信繁の几帳面な人柄がうかがえる。それにしても随分と焼酎にご執心だったと思うだろうが、当時は流人の身、酒といえばどぶろくくらいしかなかったから焼酎は貴重だったのだろう。ちなみに手紙は、いったん左端まで書いた後、まだ余白があるのになぜか最初に書いた文の行間に追伸が書かれてある。世の歴史家はよく判読できたものだと感心するほかない。

 

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●真田信之・信政の墓

境内には真田家墓所がある

 蓮華定院の境内の裏には信之とその嫡男・信政を祀った墓地がある。お参りには宿泊せずとも行けるが、必ず蓮華定院の寺務所に声を掛けて許可をもらおう。後は案内板に沿って行けばすぐに墓地にたどり着く。

真田信之(向かって右)と信政(左)の墓
いかにも真言宗的な五輪塔 両者の墓前には六文銭をかたどったお賽銭が
それぞれの五輪塔の前には、あの世でも主人に仕えるかのように家来の墓碑も建てられている

蓮華定院
所在地:和歌山県伊都郡高野町高野山700番地
電話番号:0736-56-2233
交通アクセス:南海高野線「極楽橋駅」から南海高野山ケーブルで終点「高野山駅」へ。南海りんかんバスで「一心口」下車徒歩1分
宿泊料:9000円~

取材協力/蓮華定院・添田住職、橋本市文化財保護審議会委員・岩倉哲夫氏、九度山町産業振興課真田丸推進室

真田三代 上 (文春文庫)

火坂 雅志(著)

文藝春秋
2014年11月7日 発売

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真田三代 下 (文春文庫)

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2014年11月7日 発売

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第11回【蓮華定院その1】昌幸・信繁が高野山に配流になった際、最初に逗留した寺院

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