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モールのはずが買い物難民?“単身者にちょうど良い”1LDK

 商店街が衰退するいっぽう、平成時代に大きく拡大したのが、現代を象徴する建造物のひとつであるショッピングモールだ。

 高度経済成長時代の日本では、“都会”のシンボルがデパートと高層ビルで、対する“町”のシンボルが商店街やスーパーマーケットだった。ところが今日では、どちらの機能もショッピングモールに移りつつあり、つまり我々は『サザエさん』とは違う時代を生きている。

 都会のビルが縦に大きくなっていくのに対し、郊外のモールは面積的に巨大化を続け、「まるでひとつの町のよう」とも形容される。しかしモールも競争が激しく、テナントが激減して“廃墟”の扱いを受ける物件も散見される。

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 さて、ショッピングモールの本家本元といえばアメリカだが、当地でも2020年以来の新型コロナ禍を受けて倒産するショッピングモールが増えたという。しかし交通の便に優れたモールを、廃墟として野ざらしにするのはもったいない。そういうわけで考案されたリフォーム物件がこちら。

 

 古いモール(なんと19世紀築)の区画をリフォームし、単身者にちょうどいい間取りの1LDKに大改造。アメリカ人の感覚では“手狭”かもしれないが、日本人の感覚では“広々”である。

 エントランスの形状がなんとも店舗らしい。玄関横にある出窓状の突起はショーウィンドウだ。もっとも一人暮らしであれば、ショーウィンドウを設けてまでご近所に見せたいものはないだろうし、カーテンを閉め切って生活することになるだろう。それでも、かつての名残として目に楽しい設備にはかわりない。

ショッピングモールの中にあるわけだから利便性は最高!と思いきや… ©iStock.com

 ショッピングモールの中にあるわけだから利便性は最高……と思いきや、「店舗はなくなっているから買い物には不便なのでは」という意見も。となれば、リフォームと移住が進むにつれて、生活必需品を扱う店が戻ってくるという“先祖返り”が起こる可能性もありそうだ。

 宝飾品から電気工具まで、バラエティ豊かな店舗があるのがショッピングモールの楽しさである。同じようにこの物件には、アメリカならではのバラエティ豊かな入居者が集まるのだろうか。今後はわからないが、このリフォームは建物にとっても恵まれた余生のように思える。