そうした中でアリババが「タージ」(英語名はTarget Face)というバーチャルモデルサービスをリリースしました。それもリアルさを追求したバーチャルモデルです。服のデザインを表裏アップして、モデルの顔やポーズなどを選ぶだけで、リアルなCGモデルが1日で出てくるというものです。しかも平らなデザインの服の画像を、システムにアップロードすることで、人の体に着用したような自然な感じにAIが修正してくれる。
モデルをいつでも使えて、人件費は削減、人不足も解消できるというソリューションなわけですよ。アリババいわく、「モデル写真が他所で勝手に使われる海賊版問題も減るという副次的な効果もあるし、モデルをアリババに任せて本物さながらのCGモデルをさくっと作るので、本業に精力をそそいでください」とのこと。
AIによる労働者削減はこんなところにも
これを取り上げるニュースでは、業者や多くの外国人がそれを見た後に「えっ、これCGなんですか? リアルですねえ!」と驚き絶賛するのですが、そこは中国でも他の国でも新しいサービスができたニュースでは絶賛するもの。100%鵜呑みにするわけにはいかないですが、とはいえなかなかのアイディアも生成された画像クオリティもよさそうです。
今後はさらにニーズをくみ取り、大型モデルや高齢者モデルやマッチョな人のモデルなど、さまざまなバーチャルキャラクターを用意するという検討も。これが普及するとなると、外国人モデルは一部のニーズを残して不要になってしまうわけで、AIによる労働者削減はこんなところにも。しかもウクライナにロシアですよ。
中国は危機に際してITで対策を講じるのが素早いです。これも今まで研究開発の蓄積があったから、じゃあ困った状況に一石投じるサービスを導入しようとなるわけです。IT大国のアメリカとは別の道を歩みつつ、蓄積があるので北朝鮮やロシアのようにはならないわけですね。それにしても、ここまでリアルなCGが生成される時代となると、もうウクライナ人だろうが日本人だろうが、世界的に単純なモデル業だけでは仕事にならない時代が近づいてきているかもしれません。
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