DaiGo氏から「この人も、乱交が好きかも」と言われて…ネット上のセクハラや侮辱はなぜなくならないか

予期せぬタイミングで被害が……

　先日、知人のAさんがTwitterのスペース機能で配信しているのを見かけたので、何の気なしにリスナーとして参加していたところ、思いがけない事件に遭遇してしまった。

　Aさんのスペースでは当初「詐欺に引っかかりやすい人についてどう思うか」という議論が行われていたが、突然、知人と一緒にスピーカーとして話していたメンタリストのDaiGo氏が「統計上、世界中の男女の80%以上が3人以上の性行為に興味がある」と切り出し、乱交の話を始めてしまった。

　それ自体は特段問題のない範囲だと思うのだけれど、DaiGo氏は続けて「今リスナーの中に、公式マーク（Twitter上で、著名人などを含めて信頼性が高いアカウントに付与されるバッジ）が付いている人がAさんを含めて5人いるじゃない。●●さんとか●●さん、●●さん（おそらく全員、DaiGo氏の知人）も聞いてますよね。そうすると、この中の4人は乱交に興味があるってことになる。Aさんが『乱交に興味がない』とすれば、あとの4人は興味がある可能性が高いってことですよ」という風に、持論を展開しはじめた。

　私のアカウントにも公式マークが付与されているので、DaiGo氏のいう「4人」には私も含まれていることになる。1000人近くのリスナーがいる中でこのような扱いを受けるのは決して心地の良いものではなかったが、DaiGo氏の論調はさらにエスカレートしていき、衝撃的な言葉を放った。

「この吉川なんとかさんって人（私）も、乱交が好きかもしれないじゃないですか（笑）」

　DaiGo氏とはまったく面識がないが、このとき彼が私の名前をわざわざ取り上げたのは、おそらく他のメンバーが知人であったことに加え、公式バッジの付いた4人の顔写真アイコン（外見）から「女である」と瞬時に判別できるのが私だけだったからだと推測される。

　スペースを聞いているだけの面識もない女性をわざわざ名指しして、1000人もの聴衆に「乱交」がその女性の性的嗜好であるかのように想起させ、男同士の“おもしろおかしい下ネタ”に利用することがいかに低俗で、加害的で、下卑たものであるか。

　Aさんは咄嗟に「名指しするのはちょっと……」と制止しようとしていたが、DaiGo氏の軽率な発言は止まることを知らない。あまりに不快だったため私はスペースを聞くのをやめたが、突然、予想だにしていなかった形で性的被害を受けたショックと腹立たしさ、不快感はなかなか拭えず、今日に至るまで継続している。