——対局前に2人で「鬼ごっこ」をされたこともあるとか。
愛咲美 私の竜星戦(2019年準決勝)の前ですね。
梨紗 対局前に頭がぼーっとしないために、運動すると良いんじゃないかなと思って「鬼ごっこするか!」って私が誘ったんだよね。
愛咲美 梨紗が誘ってくれて、私もちょうど身体を動かしたいなと思ってたから『同じこと思ってた!』って盛り上がりました。姉妹だからか、同じタイミングで同じことを思いつくことが結構あるんですよ。
——棋士同士はライバルでもあると思うのですが、仲がいいエピソードもよく聞こえてきます。実際のところどんな関係性なんでしょう。
愛咲美 コロナになる前は同い年の関くん(関航太郎天元)たちと「人狼ゲーム」で遊んだり、里菜先生や星合志保三段とご飯を食べに行ったりしてましたし、棋士仲間には仲良くしてもらっています。「人狼」は読みのゲームなのでみんな本気ですけど(笑)。私はプライベートで会った時は、あんまり囲碁の話はしない方かも。梨紗は?
梨紗 私も菫ちゃん(仲邑菫二段)はライバルですけど、めちゃくちゃ仲良いです。研究会で会っても囲碁の話より「名探偵コナン」で盛り上がったり(笑)。
愛咲美 コナンは棋士人気が高いよね。私は赤井秀一さんが好き。
梨紗 私は松田陣平さん!(笑)
「『ヒカルの碁』ネタは棋士同士の会話では必修です」
——マンガというと「ヒカルの碁」の連載が終わった2003年に愛咲美さんは2歳、梨紗さんはまだ生まれていないんですね。読まれましたか?
愛咲美「ヒカルの碁」はマンガの中でももちろん別格です。ほとんどの棋士が読んでるし、私より少し上の先生たちの中には「ヒカルの碁」で囲碁を始めた方も多いです。物語とかセリフを全部暗記している方も結構いますね。
梨紗 ある先生が研究会で塔矢アキラ(「ヒカルの碁」の主人公のライバル)のセリフを言って、周りは笑っていたんですけど、私が元ネタを知らなかったことがありました。「ヒカルの碁読んでないの?」ってすごくびっくりされました。
愛咲美「ここでボクが投了!」だよね。セリフとかコマとか、下手するとページ数とか覚えてる人いるよね。「ヒカルの碁」ネタは棋士同士の会話では必修です。