通り沿いにあった無人餃子販売店に興味を惹かれつつ、三鷹天命反転住宅と相対する。近くで見ると迫力がすごい……。鉄製の門を開け、物件を管理する株式会社コーデノロジストが入居する101号室を尋ねる。
「これほど奇抜な物件を管理している会社の人だから、さぞ変わった方が出てくるのだろう……」と、恐る恐るインターホンを鳴らす(ちなみにインターホンは45度傾いたものが設置されている! 変!)と、柔和な雰囲気の男性が迎え入れてくれた。一安心。
「早速お部屋に案内しましょうか」と、エレベーターのスイッチを押し、宿泊用の部屋として利用されている303号室へと先導してくれた。
建物の奇抜な外見から、さぞ共用部も変わった構造になっているのだろうと推測していたのだが、意外にも、エレベーターや廊下は(色彩こそ独特だが)シンプルなつくり。
聞いてみると、建築基準法の条項で共用部については細かなルールが多く、エレベーターや廊下は、それらをクリアすることを最優先に設計されているのだという。
外観に負けず劣らず…強烈な印象を与える室内
303号室のドアを開けると、外観の奇抜さに負けず劣らず……いや、より、強烈なビジュアルの内観が広がっていた。
すぐにでも部屋の中を回ってみたい気持ちを抑えつつ、支配人の松田さんから部屋についての説明を受ける。
・さまざまな身体能力の違いを越えて、この住宅には住む人それぞれに合った使用の仕方があり、その使用法は自由であるということ
・3歳の子どもが大人より使いこなせる場所もあれば、70歳以上の大人にしかできない動きも生じること
・“私たち一人一人の身体はすべて異なっており、日々変化するもので、与えられた環境・条件をあたりまえと思わずに過ごしてみるだけで、これまで不可能と思っていたことが可能になるかもしれない=天命反転(Reversible Destiny)が可能になる”という思いが込められていること
・キッチンや水回りの使用
・周辺施設の案内
三鷹天命反転住宅がどのような物件なのか。コンセプト面から設備の面まで、20分ほどかけて丁寧に話していただいたうえで住宅で用意された民泊の契約書にサイン。
説明・契約を終え、支配人の松田さんが部屋を出ていく瞬間、「では、たっぷり体験して楽しんでください」とにこやかに語りかけてくれた。