しかし再来年以降、iPhoneの買取価格は大幅に下落するのが不可避な状況です。これは前述の、USB Type-Cへのモデルチェンジが大きく影響しています。というのも、一般的に規格が大きく変更になると、旧規格のモデルを手放すユーザが増え、中古市場の在庫がダブつくことで、買取価格が大幅に下落するのが常だからです。
最近でも、自社製のM1チップを搭載したMacBookが登場して以来、旧来のIntel CPUを搭載したMacBookの中古品は店頭でもダブつき気味になっており、価格も安くなっています。
また過去にも、2012年にLightningコネクタが登場した時、それ以前のDockコネクタを採用したモデルの買取価格が大幅に下がったり、Dockコネクタで接続する周辺機器が叩き売られた事例があります。
こうした過去の事例を鑑みると、USB Type-Cを搭載したiPhoneの登場がほぼ確実となったタイミングでLightning搭載のiPhoneの買取価格は下落し始め、実際に移行が始まってからはそれがピークに達すると予想されます。現段階で手放して問題ないiPhoneが手元にあるならば、早めに買い取りに出したほうが、こうしたビッグウェーブを回避できるでしょう。
その4:円安でiPhoneが大幅値上げされる可能性はある?
iPhoneは毎年秋に、新モデルが発表されるのが恒例ですが、今秋に登場が予想されるiPhone 14シリーズは、現行のiPhoneに比べて価格がかなり上昇することが予想されます。
理由は円安の影響です。つい先日も、MacBookの新型モデルの発表と併せて、既存製品が“サイレント値上げ”され、ネットで波紋を呼びました。
またMM総研の調査によると、日本におけるiPhoneの販売価格は世界34ヶ国および地域の中で最安ということで、値上げにあたっての障害はそれほどないのが現状です。むしろ新モデル発表後も現行の価格水準に留め置かれることのほうが不自然でしょう。
https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=541
もっとも、本当に注意すべきなのは、新製品発表のタイミングではなく、いままさにこの瞬間かもしれません。というのも、過去に大幅な円安になった時には、発売中のiPhoneやiPad、さらにはAppStoreのアプリが為替レートの変動を理由に、ある日一斉に値上げされた例が多数あるからです。
例えば2014年の円安時には、当時現行モデルだったiPhone 6/6 Plusが、Apple Storeで1万円前後、前触れなく値上げされています。
新製品が登場する秋口まで待たずに、現行の製品が値上がりする可能性は五分五分といったところですが、現在iPhoneやiPadの買い替えを考えていて、特に新製品にはこだわっていないユーザは、価格が維持されている今のうちに購入することを、検討したほうがよいかもしれません。