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 食事の量もそうです。くどいですが「少し太っている人のほうが長生き」というデータは世界中にあります。つまり、太り気味であるほうが好調だと体のほうが知っていて、脳を通して「食べたい」という信号を伝えているとも考えられるわけです。

「食べたいものを我慢してダイエット」は寿命を縮める?

 たしかに60代くらいまでは、塩分の摂り過ぎも太り過ぎも、健康を損なう原因になるかもしれません。しかし80歳も目前の幸齢者(編注:書籍内では、80歳を超えた高齢者を「幸齢者」と呼ぶ)になったのなら、その常識は一度忘れたほうがいいと思います。

「食べたいものを我慢してダイエット」など自ら寿命を縮める行為です。栄養不足は、確実に老化を進めるからです。

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 もちろん、無理に食べる必要はありませんが「食べたい」と思うなら、我慢せずに食べたらいいのです。

 体の声を素直に聞く――。80歳を過ぎた幸齢者には、これが一番の健康法です。

 人間の体は、じつによくできています。それを信じればいいのです。

 ちなみに、前述の低ナトリウム血症は、意識障害や痙けいれん攣などを引き起こします。

 ふだんは逆走や暴走をしない高齢ドライバーによる逆走事故や暴走事故などは、もしかすると低ナトリウム血症が原因で意識が飛んだのではないか。あるいは、血糖値や血圧を下げ過ぎて頭がぼーっとしたのかも……などと、複数の原因が考えられるのです。

興味あることは我慢しない。どんどんおやりなさい

 本当はしたいのに「いい年をして」という言葉が頭に浮かび、我慢してしまうことはありませんか?

 でもやはり、したいことは我慢せず、やったらいいと思います。

 たとえば、性的なこともその1つかもしれません。世間の常識では「年甲斐もなく」と非難されそうなことです。しかし健康面から言えば、積極的になっていいと思います。なぜなら、男性ホルモンが増えるからです。