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英語、日本語、フランス語…家の中で使っていた言語は?

ーー唐突ですが、僕はお母様をゴクミと呼んでいた世代でして。今日、アレジさんとお会いして本当にお母様に似ているなと。当たり前なのですが。 

アレジ そうですか。よかった。日本では、あんまり言われないの。日本だと必ず「お父さんに似てる」と言われる。 

ーーあちらでは、アジアとのハーフであることを周囲からどう受け止められていました? 

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アレジ 普通。子供の頃は、半分日本人だと言っても誰も信じないことが多かった。あんまり自分から話すこともなかったけど。 

幼少期のジュリア―ノさんと、母親の後藤久美子さん(ご本人提供)

 たまに、じーっと見られて「ああ、やっぱり少し日本人だ」って言われたこともあったけど、それはうれしかったの。やっぱり、僕にはアジアの面もあるから。髪の毛なんかも、他の子とは違う感じでね。日本のルーツが自分にあるってうれしいことだから。 

ーーインターナショナルスクールに通われていたそうですが、学校で話す言葉は英語になるわけですか。 

アレジ 学校では、フランコフォン(フランス語を主言語にする人)とアングロフォン(英語を主言語にする人)がいて。算数も歴史も、授業はぜんぶフランス語。英語は学校で習って、同級生と英語で話してた。それで、英語をすごく話せるようになって。 

ーー家でも会話は英語で? 

アレジ ちっちゃかった頃は、フランス語と日本語。どんどん英語になった。お姉ちゃんとも、いまはほとんど英語でしか話さない。お母さんとは、英語、日本語、フランス語を混ぜてしゃべる。お父さんとは、フランス語とイタリア語を少し混ぜてしゃべる。日本語だけ、フランス語だけ、英語だけというのはない。本当にバラバラ。 

 

ーー“多言語家庭あるある”ですけど、学校で英語を話していると、子供は家でも英語を話してしまいますよね。やはり、多く触れている言語のほうが楽に喋れますから。 

アレジ そうそう。わざとじゃないけど、いちばん簡単な言葉で喋っちゃうの。考えなくていいから。で、さらに日本語やフランス語が混じっちゃう。うちに来た友達なんかは、僕ら家族がなにを話しているのかよくわからないみたい(笑)。