カミングアウトされたとき、両親はどんな気持ちだったのか
「いいと思う!」
すべてを話し終えたら、母は笑顔で賛成してくれました。
前回のカミングアウトのときの反応を考えると、反対される可能性もあるんじゃないかと思っていたのでちょっと拍子抜けしてしたくらいでした。もちろん、父も賛成してくれて、晴れて手術への第一歩を進めるようになったのです。
両親の反応について、ずっと気になっていたことがあります。
手術を打ち明けたとき、即決で賛成はしてくれたけれど、決断するまでにいろいろな葛藤や想いがあったと思います。両親はカミングアウトされたとき、どんな気持ちだったのか。自分はまだ親になったこともないし、その気持ちがわからないからこそ、知っておきたいというか……。
そこで、ちなみに本書の打ち合わせをしている時にお子さんがいらっしゃるスタッフさんにも聞いてみたんです。もしも自分の子どもが性別に違和感を抱えていたら、どのように対応しますかと……。
家族はきっと理解してくれる
中学生の息子さんがいる構成担当のIさんは「たとえば物心がつく頃から、その兆候があったら、“そうだよね~”という感じで受け入れます。でも、そういった素振りをまったく見せずに、たとえば成人になっていきなりカミングアウトされたとしたら驚くと思います。だけど結局は受け入れるでしょう。自分の子どもは信頼しているし、自分らしい生き方をしたいというのならば、“一つの進路”として認めます」とのこと。
続いては保育園に通う娘さんがいる編集担当のGさんは「もちろん僕も受け入れます。どのような性的指向を持とうが、自分の子どもであることには変わりはないですから。生きづらさを抱えているなら、親として生きやすいように全力でサポートしてあげたいです」とのことでした。
その他にも、お子さんがいる身近な方に話を聞くと、受け入れるという考えの人しかいないんですよね。それだけ親という存在は自分の子どもを認めているし、子どもも親を信頼していいんだと思います。
この本を読んでいる方で自分と同じようなことで悩んでいる人がいたら、ほんの少しの勇気を出して家族、親戚、親友……誰かにアピールしてみてください。
ダイレクトに伝えても、オブラートに包んでも、どちらでも良いです。少しの勇気で誰かがチカラになってくれるかもしれないし、気持ちがラクになるかもしれない。もし、時間がかかったとしても、家族はきっと理解してくれます!