男性器はどうするのか問題
さて、ここから読者のみなさんが性別適合手術について一番興味があって、だけど正面切ってなかなか質問できないだろうと思うことについて書きます。
かなり生々しい表現もありますし、刺激的なことも書くと思いますのでご了承ください。だけど、ある意味で性別を変更するうえで一番の変化がある箇所の話です。
自分は女性から男性への性別適合手術で子宮を切除しました。
では、その切除した後の子宮の跡地(?)はどうなっているのか?
「もう使わないから、縫って閉じてしまうのではないか?」と思う方もいるようです。
自分も最初はそう思っていました。
でも、結論としては“そのまま”です。穴が開いたままの状態になっています。
性別適合手術で避けて通れないのが、男性器、つまりペニスの問題です。
FTM手術の中には、男性器を形成して新たに作るというものもあります。
その点については、正直悩みましたね。
パートナーの女性、男湯の男性はどう思うのだろうか
自分は女性だったときでも心は男性でしたので、恋愛対象になるのは女性でした。まあ、お付き合いした女性は片手で数えられるくらいでしたが、やはり大切で好きな人ですから「抱きしめたい」と思うわけです。
しかし、抱きしめることはできても、その先の行為には及べないんですね。キスやボディタッチなどのスキンシップが限界というか、それ以上のことはできないんです。
自分自身は、ある程度諦めがあったし、たとえ最後までできなくても相手を思う気持ちがあればいいと思っていました。
だけど、パートナーの女性はどう思っているのだろうか。
そのことを考えると、不安も感じました。単刀直入に言えば、満足しているのだろうかということです。
また、個人的な話になりますが、自分は温泉やサウナが大好きです。当然、手術後は男湯を利用するようになるわけですが、やはり、あるべき物があるべき場所に付いていないことで周囲に不快な思いをさせてしまうかもしれません。だからこそ、疑似でもペニスを作るべきなのか? 悩みに悩んでしまいました。
結論としては作りませんでした。おそらくこれからも作ることはないと思います。
担当の先生に相談をしたことはしました。でも、先生から「付いているだけで使えるわけではない」と言われたんですね。それだったら、あまり意味がないかなと感じたんです。
あとは温泉やサウナに関してですが、先生から「毛を生やしておけば隠せるでしょ? それに……男同士であまりアソコは気にしないから、知らない人に股間を凝視されることもないと思うよ」と言われたことも大きかったです。これは必要がないなと判断しての結論です。