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《1強の半面、森友学園や「桜を見る会」など負の問題を抱え、コロナ対策ではアベノマスク配布で失笑を買った。それでも憲政史上最長の首相在職期間となった安倍氏を中心に、最近の日本政治は回り続けた。》(「悼む」日刊スポーツWEB7月8日)

 これらは「情」のマイナス部分が作用しすぎたと言えまいか。

©文藝春秋

マスコミの報道姿勢に望むこと

 いまは銃撃事件そのものを報じる報道が続くが、今後、政治家・安倍晋三の仕事ついて語られる記事が増えていくことだろう。一方で心配したいのは「論評」の萎縮である。

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 安倍氏は首相辞任後も、政治の舞台で主役級の活躍をしていた。参院選でもアベノミクスや安全保障、憲法改正など安倍氏自身が中心となって論議を繰り広げていた。今後も安倍氏が提示した議題や言説をめぐっては有権者にさまざまな視点が提供されることが大事だと思う。

 今回の事件は「民主主義への挑戦」と言われています。だからこそマスコミには今まで以上に、誠実な論評・批評に力を注いでほしいのです。視聴者、読者として願います。