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「大人が外でおもらしする話って、本当に盛り上がる」有毒魚バラムツまで食べた「野食ハンター・茸本朗」のスゴい生き様

「大人が外でおもらしする話って、本当に盛り上がる」有毒魚バラムツまで食べた「野食ハンター・茸本朗」のスゴい生き様

野食家・茸本朗とは何者か? #1

note

「自分のほうが面白い記事を書ける!」

――ホームページは2014年11月頃から結構な頻度で更新されていますね。

茸本 デイリーポータルZのライター応募に採用されなかった後、「中途半端にやるなら消せ。やるならとことん」という相方のアドバイスがあったので。出勤する日は毎日更新すると決め、書き続けました。毎日の通勤時に原稿を書き、会社の昼休みにアップするというルーティンです。デイリーポータルZより、自分のほうが面白い記事を書ける!という自負もありましたし。僕、負けず嫌いなんで(笑)。

 そうやって毎日更新するようになると、月に10万~30万PVとかになり、ホームページに遊びに来てくれる読者が増えていくようになりました。

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――その時点で既にそれなりに充実した野食情報発信になっていると思いますが、あえて会社員からフリーランスになったのはなぜでしょう?

茸本さんが原作を担当した漫画『僕は君を太らせたい!』(画像:小学館ホームページより)

茸本 漫画原作のお話が来たときに、野食家として活動の場を広げるいいきっかけかなと。会社では図鑑の編集をしていましたが、副業禁止の会社だったこともありますし、僕はあまり真面目な会社員とも言い難かったので。そうして退社し、はじめて原作を担当したのが、『僕は君を太らせたい!』(横山ひろと著・小学館ビッグコミック)という作品です。

 野食描写はリアルに行こうとなったので、全てではありませんが、作画の横山先生にも物語に登場する食材を一部食べてもらったりもして、楽しかったですね。あの漫画のストーリーは、謎の病原菌が世界に蔓延してサバイバル生活を余儀なくされるという始まりでしたが、コミカルなテイストながらもややシリアスになってしまった部分があるので、もう少し明るくてもよかったのではなんて意見もありましたね。

――『僕は君を太らせたい!』の世界観は、図らずも今のコロナ禍の現実とリンクした部分がありそうです。

茸本 本当に、そうですよね。新型コロナウイルスといえば、カメが冤罪をくらい、撮影したものがお蔵入りになる出来事もありました。

 某テレビ番組で、捕獲したカメをメイン食材に、鍋を作って撮影したんです。ところが撮影後に新型コロナ騒ぎが始まり、当時はまだわからないことも多く、新型コロナウイルスが野生生物由来ではないかというところから、爬虫類も疑いリストの中に入っちゃったんですよ。するとテレビ局の上層部から、「カメを食べる内容は、今は無理だろう」と判断が下され、急遽ザリガニを使った料理に差し替え。結果的にちょっと内容が薄くなっちゃったのが、いまだに残念で。