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――調理、加工の工夫を必要とせず、手堅く美味しいものだと?

茸本さんが握るのはホテイチク

茸本 5月半ば頃が旬である、ホテイチクがおすすめです。釣竿を作るのに向いていたようで、江戸時代頃、日本へ入ってきたとか。日本で一般的に食べられているタケノコは土を掘って取り出しますが、ホテイチクは土の表面に出ている部分も美味しい。手でポキッと簡単に折れるので、道具も必要ありません。

 美味しいタケノコなのでファンが多く、ホテイチクを狙って採取に来ている人も度々見かけます。僕はみそ汁に入れるのが好きですね。

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多摩川はまさに「自然の食料庫」

 ほかにも、スパイスやハーブならミントやセイヨウカラシナも生えています。シソ科のカキドオシで、お茶もつくれます。ちなみに僕が一番好きなのは、今の季節には手に入りませんが、ガマの花粉です。

――神話に出てくる、因幡の白兎の傷を治した、いわゆる「ガマの穂」ですか!? ソーセージのような形をしていて、つぶすとボフッと弾けるヤツ。

ガマの穂 ©iStock.com

茸本 食材としては、もう、かなりうまいものだと思いますよ。花粉を集めて小麦粉と混ぜてパンみたいに焼いたりとか。味が濃厚で、脂肪分が多く香ばしい。

ミドリガメを獲ろうと5時間粘るも…

――さていよいよ、今の時期におなかいっぱい食べられるお肉=ミドリガメをキャッチ&イート!……といきたかったのですが、残念ながら5時間粘ってボウズという結果に(※取材は2日にわたって行った)。

 ミドリガメの美味しさを、ぜひ確かめてみたかったです。

ミドリガメを釣るため下見までしてくれた茸本さんだったが…

茸本 前日も確認して、川の中に確実にウヨウヨいるのは確実だったんですが……残念です(笑)。ミドリガメは通称で正しくはミシシッピアカミミガメと言い、日本で一番生息数の多いカメです。

 お祭りの「カメ釣り」やペットを目的に幼体が日本に持ち込まれましたが、大きくなるので飼えなくなり、そのへんに放たれたものが増え続けて問題になっています。原産地では数が減っているようですが、日本では死ぬほどいる。いくら食べても、絶滅することはありません。とてもいい味をしているので、ぜひ味わってほしかったですね。