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「お金と時間に余裕がないと行けない」

 とはいえ、音楽のジャンルによっては、荒ぶる雰囲気のフェスもありそうだが……。

「いかにも暴れそうな人がいそうなのはラウド系ロックですが、こういうフェスはアーティストが自主的に開催していることが多いんです。ファンとしては、好きなアーティストが苦労して開催に漕ぎつけていることを理解しているので、なにか問題を起こしちゃいけないと、マナーがいいんですよ。

 EDM系のイベントとか、ヒップホップ、レゲエなんかは比較的荒くて、暴走しがちかもしれません。でも、たまに小競り合いとかあっても、客同士もそういうものだと了解しあっているので、内々で済むというか、そこまで大きな問題にはなりませんね」(五十嵐さん)

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「フェスの高齢化現象」を言い換えると、新たな世代の若者たちが入ってきていない、ということになる。

「最近の若い世代は、音楽はもっぱらネットやスマホで聴くものになっていて、フェスどころかライブに興味がない。コロナ禍を経てますますライブ離れが起こっていて、復活したところで行こうと意気込む若者は少ないんじゃないでしょうか。屋内の都市型フェスはまだ若い世代も見かけますけど……。

 フェスってそこそこお金と時間に余裕がないと行けないじゃないですか。それも今の若者にはハードルが高いんじゃないでしょうか」(五十嵐さん)

 若者たちはお金がないので、わざわざ外で「ロックなんて聴かない」のだ。それに伴い、フェスでのトラブルも活気も右肩下がり気味、ということらしい。

「参加者のトラブルとは関係ないですけど、いちばんヤバいと思ったのは、出入り業者のフードトラックから食中毒が出たという話ですね。その運営は適切な処理をしたそうですけど、発覚したのはフェス終了後。

 HPに謝罪文と『具合の悪い人は報告ください』という告示を載せたようですけど、終わったフェスのHPなんて誰も見ないので、効果があったのかわからないですよね……」(五十嵐さん)

 無事に家に帰るまでがフェス、というのも不文律なので、今夏に参加する予定の方はもろもろ気をつけていただきたい。