現在テレビ朝日系で放送中のドラマ『六本木クラス』。言うまでもなく世界的大ヒットを記録したNetflixドラマ『梨泰院クラス』の日本版として舞台を六本木に置き換えた作品であり、困難な運命に果敢に立ち向かう一人の青年・宮部新(竹内涼真)の壮大なリベンジストーリーが描かれている。
主人公を演じる竹内はもちろん、香川照之、新木優子ら実力派俳優たちが個性的で多彩なキャラクターを演じる本作だが、その中でもとりわけ輝いているのが、麻宮葵役を演じている平手友梨奈である。
葵はIQ162を誇る天才インフルエンサーで、新との出会いをきっかけに人生が一変。その卓越した頭脳を駆使して彼を献身的にサポートしていく重要な役どころなのだが、これが小気味よいほど平手にハマっているのだ。
空気を読まず、自分の行動を抑えられないソシオパスという設定の葵は、高校の時、クラスで起きた陰湿なイジメの動画をリアルタイムでアップ、抗議をしにきた加害者生徒の母親を返り討ちにする。その際、仲裁に入った新に自分の父親が死んだのはその母親のせいだと平気な顔でウソをつき、最後は「ウッソぴょ~ん」と言って去っていく(第2話)。
また、しつこくつきまとう合コン相手の目をジッと見つめ「顔、話し方、声、歯並び、まつ毛、眼球、全部気に入らない」と真顔で言い放った後に笑顔を見せ、逆上させる。その直後、偶然トイレで出会った新に助けを求め、一緒にいた楠木優香(新木)と3人で夜の六本木を全力で疾走する(第3話)。さらには、新といいムードになり、キスをしそうになった優香の頰を思い切りギューっとつかみ「ディーフェンス」と言って阻止(第4話)。
それぞれ『梨泰院クラス』でも非常に印象的だった場面だが、『六本木~』では純粋さと狂気の入り混じった平手の表情が実にイキイキと映り、本家とはまた違う魅力あふれる名シーンに仕上がっている。