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 それが年々大きくお客の数を増やしていって、2006年度には2万人を突破。2017年度にはついに3万人を超えている。このお客の増加とともに駅の周りにマンションが出来ていったわけで、立命館の学生+マンションの住民たちによって、あっという間に新参駅の南草津駅は滋賀県ナンバーワンに躍り出たのである。

「代謝の良さ」はわかったが…

 このようにそもそもが新しい駅であり、周囲のマンションに住んでいる人も駅が開業してからやってきた人たち。さらに学生はおおよそ4年程度で入れ替わる。だから町としての代謝もいいし、時が流れても活気が保たれる。

 

 そこに新しいマンションができて新しい住民が増えればまた……。なんとなく斜陽感の漂う令和のニッポン、日本中がうらやむ好循環を、南草津駅は体現している。そしてそれは、駅とその周りの活況からも察することができるのだ。

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 なるほど、南草津って、元気な駅なんですね……。

 

 が、これで終わってしまってはさすがにつまらない。新しい駅で新しい町で学生もたくさん、などというのは別に何もないと言っているのとほとんど同じなのだ。もう少し何かないものか。駅の周りをもうちょっとうろうろ歩いてみることにした。

古い地図やら何やらを引っ張り出してみると…

 東口の駅前広場、そして西友も越えてしばらく歩くと、天下の国道1号に突き当たる。国道1号は近代以前の大動脈・東海道の系譜をひく。となれば、旧東海道がこの近くを通っているに違いない。古い地図やら何やらを参照してそれを探し、国道1号を渡った先の路地にたどり着いた。

 クルマがすれ違うのもやっとの細さで妙なカーブを描くいかにもな道。両脇には立派な門構えの御邸宅や木造の家屋が建ち並ぶ。神社やお寺などもところどころにあって、いかにも旧街道筋の町並みといった具合だ。

 
 

 ただ、別にこの付近に宿場町があったわけではない。この付近の東海道の宿場町は、中山道と合流する草津宿、次いで大津宿を経て逢坂山を越えて終点の三条大橋に着く。つまり、南草津駅の近くの東海道はただの通り道に過ぎなかった。それでも神社仏閣にいかにもな町並みがあるというのは、さすが東海道ということなのか。