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2022/08/01

genre : ニュース, 社会,

「南草津」に秘められた歴史を感じさせる一角が

 南草津駅付近の東海道が通っているあたり(というか駅前も)の地名は「野路」という。江戸時代以降は宿場町としての機能を失っているが、実はさらに昔の古代から中世にかけては東海道・東山道(のちの中山道)の宿駅であった。特に平安時代の終わり頃から鎌倉時代の初めにかけて栄えたようで、あの源頼朝さんも上洛に際して野路宿(野路駅)に宿泊したという。

 

 ただ、野路の宿駅が栄えたのは鎌倉時代までで、徐々に宿場としての機能は草津駅に近い草津の中心市街地へと移っていったようだ。そうして神社仏閣などだけが取り残されて、プチ門前町のように街道に沿って家々が建ち並び、近代以降の鉄道の時代を経て令和の今につながっている。かつての宿駅の跡は、野路岡田遺跡として見つかっている。

 大学生と真新しいマンションの町という個性を得ている南草津駅。その中に秘められたそういった歴史を、ほんのり感じられるのが西口の駅前にある。

 

 駅前広場のすぐ脇、つまりマンション群のふもとにある公園の名は東山道記念公園。実態はただの公園に過ぎず、史跡としての実態はない。しかし、近世東海道以前の時代に宿駅として栄えた時期も持つ新しい町の、ちょっとした誇りのようなものがこの公園にも宿っているのかもしれない。(#2に続く)

写真=鼠入昌史

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