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日本の宝・大谷翔平とアメリカンリーグ西海岸の楽しみ方

2022/08/04

世界の大スター・大谷翔平さんとの一戦の相手になれるだけで興奮

 そして、主力が放出した後で中軸を打つのは、キャッチャーだけどまあまあ打つショーン・マーフィーさんや、打率1割台で全然打たないけどアスレチックスの中ではまあまあ打つ扱いになっているボートさん、ステロイド打ってて出場停止になってたけど打撃ではあまり打たない割にアスレチックスの中ではまあまあ打つほうになってるラウレアーノさん、普段はあまり打たないけどたまに満塁ホームランとか打つピンダーさん、抜けた主力の穴埋めには全然なってないけど主力打者が右打者ばっかりだから大きいのが打てる左として起用されているセス・ブラウンさんなどが、相手先発に応じて左右病患者の監督によって適当に起用されているような感じであります。

 何といってもアスレチックス、オールスター前後まで「空前のチーム低打率」で記録的な貧打を誇っており、シーズン平均打率.210というメジャー史に残るゴミ打線なんです。それでいて、大正義ヤンキースや常勝球団アストロズに一泡吹かせることがあり、そんなどうしようもないアスレチックス打線に対して大谷さんがどんなピッチングを披露してくださるのか楽しみでなりません。

 中でも、個人的にイチオシであったトニー・ケンプさん、去年に比べてだいぶ三振が増えてしまって、売りであった「三振より四球が多くて地味に出塁率キング」って状況ではなくなってしまって、昨今ではピンダーさんやピスコッティさんとの併用になってしまって残念です。もっと四球を選んでほしいと思います。

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©文藝春秋

 よく分からないけどオールスターに選ばれたブラックバーンさんも、後半戦初戦で5回途中10失点降板とかいう往年の園川一美的ロッテ臭のする投球を披露し、やっぱりなと思わずにはいられないんですが、そういう魅力のない魅力に満ちたオークランド・アスレチックスが世界の大スター・大谷翔平さんとの一戦の相手になれるというだけで日本人の私は興奮するんですよ。

 仮面ライダーに立ち向かうショッカーの戦闘員さんの群れが、案の定蹴散らされて敗北するわけですが、大正義のヒーローというものは、偉大な相手が好敵手となってそれを打ち負かして初めてみんなの声望を集めるわけでありまして、そんなやられ役であるオークランドのことも少しでもいいから知っていて欲しいなと思います。

 大谷翔平さんの引き続きの活躍を、心よりお祈りしております。

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