1ページ目から読む
3/5ページ目

ーーお母様の「男らしくしないと、中学に上がったらイジメられるよ」が、すでに“知っている”のフラグになっていますよね。 

はるな そうですよね。ひょんなことから学校を休んでお店に行ってたことも全部バレて。もう学校をやめて、家を出て、女になりたいということも話したんです。そうしたいなら実家に住むのが条件だと親に言われて。「実家からお店に通いなさい」って。

 親元を離れるのには若すぎるし、やっぱり心配だったんでしょうね。で、そこからお母さんに無視されるんですけどね。 

ADVERTISEMENT

ーー実家に住んでいるのに、お母様とは口を利かない。かなり、キツイものが。 

はるな 6畳のダイニングに、6畳と4畳半が二間続いている団地に、4人で住んでいたんです。そんなちっちゃなところで、お母さんは完全無視ですからね。ギクシャクもしないぐらい、まるでいないような存在にされてしまって。 

 

 

 後になってお母さんに無視した理由を聞いたら、やっぱりお母さんは怖かったって。「私が悪かったんじゃないか。私がちゃんと生んであげなかったからこんな思いをさせて」って。どないかして普通に生んでやりたかったという思いがあったからこそ、「自分を見るようで、愛の目を見るのが怖かった」と言ってました。 

ーー無視の期間は、どれくらい? 

はるな 半年ぐらいかな。ちょっと耐えられなくなって、お店のママのところに居候するって言って、出ていきました。 

16歳で「絶対、愛は取ったほうがいいよ」

ーーカミングアウトの1年後、16歳で睾丸の摘出を決意されます。摘出をされたのはお店の常連客だったお医者さんだったと。摘出したいと願っていても、いざ16年も付いていたものを取るとなると葛藤や不安が生じたのでは。 

はるな 怖かったですね。生殖器としての機能が失われるわけだし。でも、若いうちに取らないと成長しきっちゃうから、成長期の間に取ったほうがいいと言われて。

「本当にこのままでいいのかな」とか「これからちゃんと生きていけるのかな」といった不安があったけど、周りにはそういうことを経験したお姉さんたちがいて、「絶対、愛は取ったほうがいいよ」と背中を押してくれたから。