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「女の子として売れて、『実は男の子でした』というのが理想だった」はるな愛(50)が語る、それでも“後悔はしない”理由

はるな愛さんインタビュー #3

2022/08/19
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 もっと楽に、周りの人と繋がってほしいし、いい友達を見つけてほしいから。「あの子にはこれを言ったらいけない」という存在になると、それができなくなっちゃう。 

戸籍の名前と性別を変えない理由

ーー戸籍の名前も性別も変えてらっしゃらないですよね。 

はるな やっぱり自分のなかで、大西賢示って大きいんですよね。いままで生きてきた年月って、苦しかったけど、もがいたけど、すべてが身になって、いろんな人の気持ちに寄り添える勉強だったし、それがあったからはるな愛でいられる。「その過去を消しちゃったら、じゃあ私ってなにが残るの?」って。

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 こうして、過去についてのインタビューをさせてもらえるのも大西賢示があるからなので。ものすごい大切です。 

ーー戸籍謄本や住民票を見ると“男”とあるのに対しては? 

はるな そこは向き合っていかないと。男としての戸籍を消して、女として生きていくこともできます。でも、夢だったことを叶えるのって、実は苦しくて窮屈なんですよね。 

 

 女性って、年齢とともに声が低くなります。でも、私の場合は、それを自分が女性だから声が低くなったんだ、とは思えないんじゃないかなって。「やっぱり男やから、どんどん低くなっていくんだ」って考えてしまうはず。

 体重が増えても、女性らしくお肉が付けばいいけど、「おっさんっぽく付いたな」ってなってしまう。そこを無理して女性に寄せていく毎日って、すごく窮屈だと思うんですよね。 

 やっぱり自分らしくいるのが一番だし、いま自由に生きていられるのは、大西賢示とはるな愛が一緒になっているんですよね。 

ーーはるなさん以外の方々も、そう生きられるようになってきたと。

はるな いまはセカンド・ステージに進んでるとは思うんです。いろんな人がいるんだよって。だからこそ、はるな愛はこういう持ち味の芸なんだよって思ってほしい。「はるな愛がああなんだから、ほかのみんなも同じなんだ」というステレオタイプな見方をやめるべき、というステージ。 

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