もっと楽に、周りの人と繋がってほしいし、いい友達を見つけてほしいから。「あの子にはこれを言ったらいけない」という存在になると、それができなくなっちゃう。
戸籍の名前と性別を変えない理由
ーー戸籍の名前も性別も変えてらっしゃらないですよね。
はるな やっぱり自分のなかで、大西賢示って大きいんですよね。いままで生きてきた年月って、苦しかったけど、もがいたけど、すべてが身になって、いろんな人の気持ちに寄り添える勉強だったし、それがあったからはるな愛でいられる。「その過去を消しちゃったら、じゃあ私ってなにが残るの?」って。
こうして、過去についてのインタビューをさせてもらえるのも大西賢示があるからなので。ものすごい大切です。
ーー戸籍謄本や住民票を見ると“男”とあるのに対しては?
はるな そこは向き合っていかないと。男としての戸籍を消して、女として生きていくこともできます。でも、夢だったことを叶えるのって、実は苦しくて窮屈なんですよね。
女性って、年齢とともに声が低くなります。でも、私の場合は、それを自分が女性だから声が低くなったんだ、とは思えないんじゃないかなって。「やっぱり男やから、どんどん低くなっていくんだ」って考えてしまうはず。
体重が増えても、女性らしくお肉が付けばいいけど、「おっさんっぽく付いたな」ってなってしまう。そこを無理して女性に寄せていく毎日って、すごく窮屈だと思うんですよね。
やっぱり自分らしくいるのが一番だし、いま自由に生きていられるのは、大西賢示とはるな愛が一緒になっているんですよね。
ーーはるなさん以外の方々も、そう生きられるようになってきたと。
はるな いまはセカンド・ステージに進んでるとは思うんです。いろんな人がいるんだよって。だからこそ、はるな愛はこういう持ち味の芸なんだよって思ってほしい。「はるな愛がああなんだから、ほかのみんなも同じなんだ」というステレオタイプな見方をやめるべき、というステージ。