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「女の子として売れて、『実は男の子でした』というのが理想だった」はるな愛(50)が語る、それでも“後悔はしない”理由

はるな愛さんインタビュー #3

2022/08/19
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 それでも、LGBTについて「先天的なものじゃなくて後天的な障害」みたいなことを書いた冊子を政党が配ってる。全員とは言わないけど、日本を動かしてる方たちのなかには、そういった考えがまだ根付いている。私はそういう人たちに呼ばれて講演することもあるんですけど、変化を恐れているのがわかるんですよ。 

信頼関係があればいい

ーーそうした恐れを、なくせるとお考えですか。 

はるな 去年、パラリンピックの開会式に出させてもらって。生まれつき指のない子とかちっちゃい子が、それをネタにして普通に話してるし、笑いも取ってるんですよ。こっちも、べつに普通だったし。

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 なんで、そうなれたのかというと、信頼関係があるから。相手を知りたい気持ちと、相手に知ってもらいたい気持ちが合わさっているので、誰も嫌な感情を抱かないんですよね。 

 笑いを取らなくたって、そういうのがあればいいんです。たとえば劇場なんかで隣に座った人に「私、トイレがめっちゃ近いんですけど、何回も行っていいですか?」と言われたら、「僕、こっちの耳が聞き取りにくいんで、聞こえないとこあったら後でもいいんで教えてくれますか?」と言えればいいじゃないですか。 

 LGBTって、その頭文字の意味を覚えるのが大変でしょ。さらに言ったら、もっともっと多いし、これからも増えていくから。人の数だけ、なにかしら頭文字はあるんです。 

 隣の席、隣の町、隣の家という視点でも考えたり、動いてみたら、多様性という意味がグッと身近なものになるんじゃないかな。 

 

写真=鈴木七絵/文藝春秋

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