文春オンライン

「ギャラリーの外で待ち伏せ」「性器の写真がDMで送られてきて…」50歳で“自撮り”作家へ 女性写真家(56)が語る“セクハラ被害の日常”――2022年上半期BEST5

マキエマキさんインタビュー #1

2022/08/27

 真の変態界隈の方々にその話をしたら、その手の人はとにかく特定のワードでSNSを検索していると。で、「自撮り」ってワードは、エロ系統のものが引っ掛かってくるらしいんです。顔は出さないけど、裸の写真は出している裏アカウントのヤリモク女性が結構いて、そういう人たちが「自撮り」ってワードを使うらしくて。 

 そこに「熟女」がプラスされると、熟女も性的なニュアンスを含んだワードとして捉えられているところがあるから、「自撮り熟女」は最強のエロワードだった、みたいな(笑)。変態ホイホイみたいなワードを自分でつけてたのに気づいて外したら、ほんとにガタッと。 

「500円の入場料」で世界が変わった

ーー性器の写真を送りつけてくるような輩は、マキエさんがヤリモクやエロく見られたくてセルフポートレートを発表していると捉えているわけですね。あくまで自分のなかのエロス、主体的なエロスを追求しているのを理解できていない。 

ADVERTISEMENT

マキエ 「自撮り熟女」というワードを外したら、フォロワーの伸びが悪くなりました。でも、そういう目的の人にフォローされて無駄な労力を割くんだったら、そうじゃない人にちゃんと展示に来てもらって、作品にそれなりの価値を感じてもらったほうがいいので。 

 ギャラリーに関しても、展示に入場料を設けたらパタッといなくなって(笑)。すごくわかりやすいんですけど、500円の入場料でいなくなるんですよ。 

 ワンコインぐらいなら許してもらえるかなと思って、入場料を500円に設定したんです。しかも、お土産付きにしてるので、いってみれば「私の作品をリスペクトしてるなら、強制的にこれ買ってね」的なやり方なんですけど。その500円ですら払わない。

 

ーー変態である以前にクソケチ。 

マキエ 真の変態は、きちんと課金します。ちゃんと、わきまえてるんですよ。だから、本物の変態はやれるとこでしかやらない。そうじゃなくて、500円も払わずに性器の写真を送ってくるような人は、女性を物として見ている、下に見ている感覚が、当たり前のものになっていると思いますよ。 

 若いパフォーマーやアーティストの方には、とにかくなんでもいいから入場料を取れと言いたいです。 

幼少期からのセクハラの数々

ーー「男性のほとんどがそうなんじゃないか」「そう思ってしまうほどセクハラが多かった」と仰っていましたが。それは昔からですか。 

マキエ 幼少時からです。人生で一番最初の性被害で覚えてるのって、小学校にあがる前。まぁ、露出魔ですね。後ろ向いて立ってる人のそばを通ったら、いきなりクルッて振り返ってきて性器が出てたっていう。 

 高校生の時は、バイト先が入っていたビルの警備員に「かわいいね」なんて挨拶されてたんですよ。こっちは高校生なんで、まさか性的な目で見られてるとは思ってない。で、「おっちゃんがおいしいものを食べに連れていったる」みたいな話になって、疑ってないから普通について行ったら帰り際にキスされて。「そういう目で見てたのか」ってびっくりしました。 

ーー被害者のはずなのに、自分が悪いんじゃないかと思い込んだり。 

マキエ そうですね。当時は自分がいけないんだ、そんなふうに相手を思うのは失礼だとか。 

関連記事