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実はあまりに巨大な広島市…そもそも「広島」は市内のどこにある?

 そんなわけで広島駅にやってきたのだが、ようやく駅の外に出ることができた。広島駅の周りをもう少し、歩いてみたい。

 広島駅があるのは、広島市街地の北東だ。実は、というか地元の方々は重々承知だと思いますが、広島市はとてつもなく広い。新幹線や山陽本線の通っている瀬戸内海に近いエリアだけでなく、そのすぐ北に迫っている山の中まで広島市。その山の中にはニュータウンも開発されていて、鉄道でいうならば芸備線や可部線といったローカル線沿線も立派な広島市内なのである。

 ただ、広島市の中心というとさすがに山の中ではない。瀬戸内海に注ぐ太田川の河口に広がるデルタ地帯。そこが広島の中心だ。広島駅は、そのデルタ地帯の一角に位置している。

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 歴史を辿ると広島の市街地としての発展は毛利輝元が16世紀の終わり頃に広島城を築いたことにはじまる。秀吉に仕えた輝元さんは、大坂城などを目にしてその立派さに感じ入り、我が領土にもこうした立派なお城と城下町を、と思ったらしい。そこで山中にあった居城の郡山城からデルタ地帯に移って広島城を築き、城下町を整備した。

 その後の広島は、関ケ原の戦い後に輝元が離れて福島正則が入り、次いで浅野氏が入って幕末まで広島藩の城下町として栄えた。

 同時に西国街道の宿場町としての顔も持ち、宿場として旅人が宿を取ったのは城下から少し離れて猿猴川を北に渡った愛宕と呼ばれた一角だ。広島駅があるのは、ちょうどその愛宕地域の近くである。

 仮囲い迷路を抜けて広島駅の外に出て、少し東に(つまりマツダスタジアムに向かって)歩くと、ほどなく踏切が見えてくる。