2022年8月3日から5日にかけて、東北と北陸地方を豪雨災害が襲った。複数の一級河川が氾濫。結果的に多くの家屋が浸水するなど、大きな被害が発生している。
福井県の中央部に位置する南越前町今庄では、8月3日から雨が振り始め、24時間降水量が357ミリ、6日までの降水量は426ミリに達し、その降水量は観測史上最多だ。この大雨により河川が氾濫し、山は崩れ、全ての交通網が寸断された。JR北陸本線、北陸自動車道、国道8号をはじめ、その他の国道、県道、林道など全てのルートが断たれ、福井県の北部と南部は完全に分断されたかたちである。
発災から3日が過ぎても断水は続く
なお、筆者の義理の両親は福井県南越前町に住んでおり、義母と電話で会話は出来ているが、高齢者の二人暮らしで、義父は耳が聞こえない。義母は雨が収まった後、道路上を横切る濁流を飛び越そうとして転倒し、危うく川へ流されそうになったという。その際、両脚を強打して負傷してしまい、車を運転することができなくなってしまった。
発災から3日が過ぎ、初の週末を迎えたが、依然として断水が続いているという状況であった。
そこで、私は岐阜県の自宅を出発し、一人で南越前町の両親宅を訪れることにした。普段から酷い道を走り慣れているという背景もあってか、妻からも「両親の様子を見て来てほしい」と頼まれた格好である。
事前に調べた情報では、「現地に行く道はない」「高速道路や主要な国道・県道にも通行止めの情報が出ている」という状況だった。
私はといえば、通行止めの情報が出ていない道を片っ端からあたってみようと思い立ち、まずは県を跨ぐ林道へと向かう。しかし、福井県に入るまでもなく、岐阜県内で土砂崩れによって行く手を阻まれたのだ。
続いて滋賀県から国道365号を進んでみることとする。しかし、滋賀県内でも浸水の被害が発生していた。