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 そんなあおいさんの店には、今も現役の“ホス狂い女子”が集まっている。歌舞伎町には、さまざまなバックボーンをもった女のコたちがいる。あおいさん自身も、この街に入りびたるようになってから、さまざまな女のコたちと、出会っては、遊び、別れて……というプロセスを繰り返してきた。中にはこの街でできた親友もいる。が、あおいさんは「歌舞伎町で出会った女友達との距離感の取り方は難しい」とも話す。

「『歌舞伎町』という、共通言語があるから、すぐに仲良くなれる。でも、問題はそこから先です。初めて私を歌舞伎町に連れて行ってくれたミカさんは、シングルマザーで子供は実家に預けて、風俗で働きながら“ホス狂い”をしていました。遊び方が下手なコで、お店に売掛もあったし、借金もすごかった。部屋も追い出され、私の部屋で同居することになったんです」

問題児だらけの“ホス狂いシェアハウス”

 当時あおいさんは、家賃4万円、六畳一間のワンルームに暮らしていた。東京にきてから寂しさを募らせていた彼女は、ミカさんだけでなく、大久保公園で泥酔している女のコや、ホストクラブで出会い、「家がない」という女のコがいると、片っ端から「拾って」いって、あおいさんの部屋で一緒に暮らすようになっていたという。

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 六畳一間のワンルームはいつのまにか「ホス狂いのシェアハウス」と化していた。破天荒な人材が集まるあおいさんの周辺でも、ミカさんの生活はとびぬけてめちゃくちゃだった。仕事の当日欠勤は当たり前。働いていた風俗店も、すぐに「飛ぶ」。お金の管理は、もちろんできない。

 中でも一番あおいさんが驚いたのは本人も知らない間に妊娠していた上、気付かない間に臨月となり、ふたりが住んでいた家の風呂場で出産したことだ。

「お腹も目立たなかったから、私も気付きませんでした。お風呂でいきなり産気づいて。私が帰って来たときには、もう、頭が見えていた。救急車に電話をしても、『今からでは間に合わない』と言われて。救急相談電話みたいなところに電話して、アドバイスを受けながら、なんとか、私が赤ちゃんを取り上げたんです」