文春オンライン

「視聴者を馬鹿にしちゃいけないよ」“テレビ離れ”はなぜ起こる?坂上忍(55)が感じた“圧倒的に変わったこと”

坂上忍さんインタビュー#3

2022/09/13
note

 じゃなくて、あなたが右側に振れたら、必ず僕が左側に振れる人に話を振るので、そこはビビらずやってくれればいいってこと。その殻を破れない人は淘汰されていっちゃうというか。

――バランスを保ち進行するためにMCとして坂上さんがいるわけですからね。

坂上 視聴者を馬鹿にしちゃいけないよってことですよ。自分でフォローを入れたって、こういう人なんだってもうバレてますからね。そんな気にしなくていいんですよ。あとはこっちで時間調整はしますから。

ADVERTISEMENT

「出る側の人間は言われてナンボ。それも含めてギャラのうちなんですから(笑)」

――坂上さんは以前「僕は中途半端なナルシストだから、コメントを出す人間よりもMCというポジションが向いている」と、おっしゃっていたんですが、やはりその辺がバランス感覚に繋がっているんですか。

坂上 生放送のかぎられた時間のなか、5:5で意見が分かれるのが理想的なんでしょうけど、まあ7:3ぐらいなら別にいいよなって思っているんです。ただ、10:0になったときは考えますよね。これはさすがにって。

 そういうとき僕は平気で0の方にまわれるんですよ。「オレだ、オレだ」と前に突き進めるようなナルシストではないから、自分の意見はもちろんあるんですけど、0の方を僕が強めに言うことによって視聴者の方に「ああ、そういう考えもあるかもしれないな」って思ってもらえればいいのかなって。いびつな形であれ番組を成立させるためならそれができるんです。

 というのも結局のところ僕自身が“10:0の人間ではない”から。いろんな意見があって当たり前でしょって普段から思ってますから。

――なるほど。ただ、ちょっと大それたことを言うだけでニュースになってしまう時代ですし、難しいところではありますよね。

坂上 でも、やっぱり出る側の人間は言われてナンボと思ってなきゃ。ビビッてちゃダメですよ。それも含めてギャラのうちなんですからね(笑)。

関連記事