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「市販のラーメンにサラダチキン」高齢者のための、栄養バランスを考えた“手抜き料理レシピ”

『70歳からは超シンプル調理で「栄養がとれる」食事に変える!』(塩野﨑淳子 著/若林秀隆 監修)――ベストセラー解剖

2022/08/31
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『70歳からは超シンプル調理で「栄養がとれる」食事に変える!』(塩野﨑淳子 著/若林秀隆 監修)すばる舎

 著者は病院の管理栄養士からケアマネジャーに転職。利用者の実態を見るうち、高齢者の自宅での栄養管理の必要性を感じ、「在宅訪問管理栄養士」という珍しい資格を取得。本書は、その活動で実践的に蓄えた「栄養バランスを考えた手抜き料理」の知恵を、主に高齢者のリハビリテーション栄養が専門の医師が監修し、一冊にまとめたものだ。

「この本のキーワードである『低栄養』は、介護業界では常識になっています。高齢者はただでさえ食が細くなっている上に、咀嚼力が弱くなった影響などで、食べるものが偏る。結果として重要な栄養素が日常的に足りなくなってしまう。とはいえ、それを避けるために手間のかかる調理をするのも、高齢者にとっては負担が大きいと前々から感じていました。だから本のタイトルにも入れた『超シンプル調理』が私の中ではかなり大きなポイントで、とにかく手間のかからない、生きるために必要な栄養を確保できる料理を提案したかったんです」(担当編集者の水沼三佳子さん)

 たとえば、市販のラーメンにサラダチキンと大葉を載せるだけでも十分。難しく考えすぎず、たんぱく質と野菜と主食のバランスを少し意識するだけで、食生活はまったく変わるのだという。主な読者層はやはり70代以上の高齢者。生協が大きな販路になっているという点もユニークだ。

2022年2月発売。初版5000部。現在9刷7万6000部(電子含む)

70歳からは超シンプル調理で「栄養がとれる」食事に変える!

塩野﨑 淳子 ,若林 秀隆

すばる舎

2022年2月9日 発売

「市販のラーメンにサラダチキン」高齢者のための、栄養バランスを考えた“手抜き料理レシピ”

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