借金を肩代わりする祖父とバツ5のバンドマンの父
アレク 例えば、のんちゃんのお父さんは「悪いヒモ」の見本なんですよ。奥さんがいっぱい稼げるようにサポートしてなかった。
川崎 私の父もバツ5のバンドマンで、収入がない「ヒモ」だったんです。
アレク でも、バンドやったり、バーを始めたいって言いだしたり。なんだかんだいって、自分が稼ぐ側になりたいんだよね。
川崎 「ヒモ」としての覚悟がない。まだバンドで成功したいとか、稼ぎたい気持ちが残ってるから中途半端なんだよね。そうするとサポートがおろそかになるから。
本当にそれで稼げたらいいんだけど、稼ぎたいっていう気持ちも実際にはそんなにないから、結局は遊びの延長線上で。それなら、役割交代して育児や家事は俺に任せてって形にした方がいいよね。
アレク 極論だけど、稼ぐのに向いていない男は働いちゃダメだよ。まあでもそれは、昔は「男が稼ぐもの」っていう価値観もあったし、俺らみたいな“逆の関係”ってよく思われなかっただろうからね。しょうがない部分もあると思うけど。
今はいろんな家族の形があるし、「主夫」って言葉もよく使われるようになったから。前よりは男がサポートするっていうのがやりやすくなった気がする。
三代続く川崎家の「ヒモ」
――川崎さんのほかのご家族も「ヒモ」なんですか。
川崎 父も祖父もです。おばあちゃんが普通に働いていて、おじいちゃんは働く気はあるんですけど、芸術家気質みたいな。ピアノをやりたがったり、借金の肩代わりをしてきたり……。それで祖母が管理していました。
お母さんも普通なら絶対選ばない男の人を選んできて、それが私のお父さん。でも、お父さんのヤバい感じが小さい時から気に入ってました。EXILEのATSUSHIに憧れてるとかいって、サングラスかけて変な剃り込み入れてたり。
――アレクさんを選んだ理由といい、川崎さんは価値観の軸に「面白さ」があるんですね。
川崎 そうですね。普通っぽいのは、刺激が足りない感じがちょっと苦手です。
――幼少期は経済的にもご苦労されたそうですが、当時の心境はいかがでしたか。