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「高カースト」の1軍は、メジャー系・不良系・運動部の子たちや、にぎやかで自己主張が強く、おしゃれな雰囲気だったり、かわいい子たちが属します。スポーツが得意、親が影響力を持っている子なども1軍に入るといいます。

 2軍、いわゆる「中カースト」はおとなしい優等生タイプの子たちです。無難に立ち回れているからこその、安定できる一番羨ましい場所だったなぁと思っていました。

 下の3軍「低カースト」はオタク気質や、運動音痴、ぼっち、ちょっと変わった不思議ちゃんなどです。とはいえ、実際にはもっと複雑に入り組んでいます。1軍でも仲間割れが起こったり、いつハブにされたりするかわからないし、3軍の下にはさらにカースト外があったりするのです。わたしは3軍にまで落ちました。

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 いじめのターゲットになるのは、3軍以下「低カースト」の子たちです。

©iStock.com

 一度「身分」が決まってしまうと、もうそこから上がることは難しいです。

 おそろしい無言の圧力と目に見えない序列がクラスを支配してしまうのです。

 兄や姉がいて、入学してすぐの最初の時期が大事なんだという情報を得られていたら、うまく対処できたのかもしれません。でも、わたしは1人っ子だったので、その空気をすぐに読みとることができませんでした。

 中学になりガラリと空気感の変わったクラスでは、ちょっとしたことを理由にハブにされて、そしてそれが積み重なって、あっという間に低カーストへ転がり落ちていきました。

「キモい子」というレッテル

 わたしが中学に入学したころはプリクラ全盛の時代。誰もが友だちとプリクラを撮っては、プリクラ帳にあふれんばかりに貼りつけて、お互いに見せ合っていました。

 けれど、わたしはプリクラ帳を持っていなかったのです。

 それは中学に入ってすぐの致命的なミスになってしまいました。

 入学して席が割り振られ、これからの中学生活にドキドキ期待に満ちた最初の時期。

 となりの席になった大人っぽい子から、「プリクラ帳見せて~」と話しかけられます。わたしが、「持ってないの」と答えると、「えっ、じゃああした絶対持ってきてね!」と言われました。

 すでにみんながプリクラ帳を見せ合い、楽しそうな雰囲気になっているのを見て、「やばい!」と思いあわててプリクラを撮りに行きました。急だったし、小学校の時の仲よしの友人とは学校が離れてしまったので、ひとりで。

 そして、プリクラ帳を持ってないけど、なにか代わりになるものはないか? と、あわてて家中を探しました。おばあちゃんが和紙を貼って作ってくれた小さいノートを見つけ、急いで撮ったプリクラを貼り、翌日学校に持っていきました。