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10ヶ月間施設外への外出はNG、携帯電話の使用は週にたったの2時間…それでも河内桜雪(19)が競輪選手という夢を諦めなかった“意外な理由”

女子競輪選手・河内桜雪(19)インタビュー #1

初勝利時に観客からかけられた印象的な声

――とはいえ、初勝利は、ルーキーシリーズを終えてすぐ。新人以外の女子競輪選手とも一緒にレースを走る「本デビュー」を迎えられてからでした。

河内 はい。「新人同士で勝てないのに本デビューして、先輩とも走るようになってから勝てるわけがない」と思っていたので、本当にびっくりしました。ルーキーシリーズでは勝てなかったのに、本デビュー後の初戦は3着、その次のレースで1着をとれたんですよね。自分が悔しい思いをしていることを周りの人はみんな知っていたので、周りもびっくりしながら喜んでくれました。たくさん褒めてくれたことを今も覚えています。

 

――観客からの反応はどうでしたか?

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河内 地元で初勝利をあげたんですが、前橋競輪場で長く働かれている検車のおじさんから「こんな歓声初めてだよ!」と声をかけてもらったほど、すごい大きな歓声をいただけました。「桜雪ちゃんありがとー!」「頑張れよー!」という声援が嬉しくて、強く印象に残っていますね。

――河内さんの“走りに込める思い”が、観客の皆さんに届いていることがわかるエピソードですね。と同時に、デビュー前から注目度が高かったからこそ、「こんな歓声初めてだよ!」と言われるほどの大きな歓声が上がったのだと思います。意地悪な捉え方をすれば、“成績が残せていないにもかかわらず、注目だけはされている”という存在だったわけですが、そうした状況を河内さん自身はどのように感じていたんでしょうか?

 

河内 やっぱり申し訳なさみたいなものを感じていましたね。「自分でいいのか?」というか。とはいえ、ガールズケイリンに興味関心を持ってもらうことが何よりも嬉しいことなので、自分に注目が集まることが普及につながるのであれば、それはありがたいことだという思いも持っていました。

 本デビューしてからは、今のところ(取材日の8月23日時点で)全てのレースで決勝レースに進出できているので、この調子で注目に見合う活躍を続けていきたいです。

――選手としてのこれからの目標はやはりガールズケイリンの魅力を広め続けていくことでしょうか。

河内 そうですね。選手としては……の答えではないのかもしれませんが、やっぱり誰でも楽しめて、誰でも来れる。競輪場がそんな場所になってほしいという思いが一番強いです。あと、私の走りを通じて、「女性でもこんなに活躍できる場所があるんだよ」ということを広めていきたいですね。

写真=坂口尚

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