鳥肌 47都道府県全部、霊柩車で回りました! ツアーは公演終わって、基本夜走りですから、高速道路を夜走っていたらですね、屋根に付いていた鳳凰が飛んでいっちゃいまして、サービスエリアで気づいたんですが。お宮さんが重いんで、時速70キロくらいが限界で、長距離移動は苦労しました。
――そもそも霊柩車は高速道路を夜中に走りませんからね。
「お宮の重みで後ろのサスがへたって…」
鳥肌 お宮の重みで後ろのサスがへたって、前が浮くから常にハイビーム状態でした。
あと、ナビが無いから、助手席に亀子のぶおという芸人を乗せて地図を見させていたんですが、あいつが懐中電灯で地図を照らしながら、急に頭が痛い痛いって言い出しましてね、どうやら霊感が強いみたいで、仕方なく停めてやったら顔面蒼白で逃げ出していきました。
おそらく私の計算では、年間50体×25年で1500体近いご遺体を搬送してきた霊柩車なんですよ。
さらに後ろの観音開きの棺桶入れには、衣裳の軍服やらも突っ込んでいましたからね。もちろん、旧日本軍の本物の軍服ですよ。ですから日本軍の英霊もいたはずですし、もうあの車は霊魂だらけだったと思いますよ。私は平気なんですがね、むしろ霊達に守られていると思っていましたから。おかげさまで霊柩車で回った全国ツアーは無事故無違反でした。
でも、たまたまバス停なんかに、霊柩車をゆっくり横付けすると、バスを待っているおじいちゃんおばあちゃんに、もの凄い嫌な顔をされましたね。
ドリップコーヒーもう一杯!
写真撮影=石川啓次/文藝春秋
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