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《泥棒市、本気のヤキ入れ、底抜けの貧困》アウトロー系女子の“超ハードモードな日常”とは「はんぺん、だいこん…おでんを“ある順番”で注文すると違法なアレが」

《泥棒市、本気のヤキ入れ、底抜けの貧困》アウトロー系女子の“超ハードモードな日常”とは「はんぺん、だいこん…おでんを“ある順番”で注文すると違法なアレが」

『地元最高!』アウトロー系編集者インタビュー#1

2022/09/17
note

《地獄が地獄をよんでる》

《救いがなくて草》

《昔、チンチロリンしてるお客さんにシャブを届けにおつかいしたことを思い出しました》

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 こんな一風変わった感想が寄せられている“日常系マンガ”がある。8月末に発売された『地元最高!』(彩図社)だ。もともとは漫画家・usagi氏が2021年にTwitter上で連載開始。現在はフォロワー16万人を抱える人気アカウントに成長している。

 内容は「地元で暮らす女子の日常」だが、他の日常系と一線を画すのは、登場人物がアウトローであること。彼女たちの日常は暴力、クスリ、貧困、虐待、差別などにまみれており、一般社会としてはいわゆる“お近づきになりたくない人々”である。

「でも、普通の人が見ているのは社会の上澄み。底に沈んでいるものにこそ、社会の本当の姿があるのでは。それに、裏社会の人間の行為はもちろん最悪ですが、その環境から抜け出せない理由もあるんです」

 マンガの担当編集者・草下シンヤさんはこう言って、その“深いワケ”を明かしてくれた。(全3回の1回目/2回目を読む)

◆◆◆

『地元最高!』第1巻 Ⓒusagi/彩図社

絵はかわいいのに、内容は衝撃のえげつなさ

──『地元最高!』のTwitterアカウントはフォロワー16万人、今年中に20万人超は確実の勢いです。多くの読者に支持されていますね。

草下 ありがとうございます。実は、こんなにフォロワー数が伸びるとは思ってなくて。

『地元最高!』のTwitterアカウント

──予想以上でしたか?

草下 ええ。このマンガが始まったとき、作者であるusagiさんの個人アカウントが14万フォロワーぐらいだったんです。だから、こちらも数万はいくかなと思ってましたが……。

──フォロワーがここまで伸びた理由は何でしょう?

草下 絵はかわいいのに、内容がえげつないというミスマッチさがウケているんですかね。

オンライン取材での草下シンヤ氏 Ⓒ文藝春秋

──『地元最高!』アカウントでマンガ連載を始めたのが、2021年2月。webコミック誌や紙媒体の掲載はなく、Twitter上だけの公開ですね。この企画はusagiさんと草下さんが2人で立ち上げたのでしょうか。

草下 これは、usagiさんが自由に始めたんですよ。

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