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「『地元最高!』は呪いの言葉」突然キレる先輩、違法行為、暴力…それでもアウトロー女子を“地元”に縛り付ける“無知の闇”とは

『地元最高!』アウトロー系編集者インタビュー#2

2022/09/17

 日常系マンガ『地元最高!』(彩図社)の主人公・シャネルちゃんは、先輩のこはるさんを紹介される。こはるさんの家で仕事を手伝わされるが、それは違法植物の栽培で……。

 シャネルちゃんや友達のちひろちゃんが暮らす地元の日常は、あらゆる悪に囲まれている。しかし彼女たちは、自分たちの地元から抜け出そうとはしない。作者のusagiさんはこう考えているようだ。

「『地元最高!』という言葉には、呪いのような側面がある」

 地元しか知らないアウトロー女子たちの、抜け出せない“闇”とは何か。担当編集者の草下シンヤさんに聞いた。(全3回の2回目/1回目を読む)

◆◆◆

覚醒剤中毒者から「すえた匂い」がするワケ

──『地元最高!』のエピソードで、草下さんが好きなのはどれですか?

草下 シャネルちゃんの先輩・こはるさんが初登場する回ですね。

 彼女は「酒と小便が混じった、風呂に入らない人のすえた匂い」がする人で。

『地元最高!』 Ⓒusagi/彩図社
『地元最高!』 Ⓒusagi/彩図社

 これを読んだとき、まず「臭い」ってところで、すごい笑っちゃったんですよ。

──大五郎ならぬ、大三郎を脇に置くこはるさんですね。「臭い」に笑ったのは、裏社会ではそういう人が多いから、とかですか……?

草下 ええ。こはるさんは元シャブ中の設定ですが、覚せい剤をやってる人は、生活全般においてすごくルーズになるんですよ。

Ⓒ文藝春秋

 人生の全ての上位に覚せい剤がきてしまうので、約束を破るのはもちろん、歯も磨かないし、風呂も入らないとか……。自律神経がおかしくなるので、尿切れも悪くなるし。

──そういうものですか。

草下 私の実体験として、覚せい剤の重度依存者からは、酸っぱかったり、すえているような変な臭いがします。そのあたりがこはるさんにうまく表現されてて、めちゃめちゃリアルだなと思いました。

──でも、こはるさんはいろんなことがルーズなのに、クマのヘアピンは必ずつけてるんですね。

『地元最高!』 Ⓒusagi/彩図社

草下 そうそう。そこもusagiさんのキャラクターデザインのセンスが光る部分で。やっぱり女子なんですよ。男のシャブ中にはない部分ですね。

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