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“地元”のモデルは「どの都道府県にもある」
──それは関東圏外で?
草下 いえ、関東でもあるし、他の地域でもあります。どの都道府県にもある、県庁所在地ではないスラムっぽい場所、という感じです。
──読んでいて、将来の選択肢が少ない町なのかなという気がしました。
草下 そうかもしれません。usagiさんは、「地元最高!」という言葉自体に、呪いのような側面があると思っているようで。
──呪いですか。
草下 冷静な目で見ると、シャネルちゃんやちひろちゃんをはじめ、マンガに出てくる全員が最悪な環境で生きてるんです。
でも彼女たちは、生まれたときから地元にいるので、そこしか知らない。だから、本心で「地元最高!」と言ったり、自分たちのいびつな人間関係を大事にしようとします。
そういう“無知の闇”のようなものを描きたいという気持ちが、usagiさんにはあるのではないでしょうか。
──「地元最高!」という言葉は自虐でもあるけれど、地元しか知らないから、肯定するしかない……という。
草下 ええ。地元には今さら発見もないし、それぐらいしか言うことがないんですよね。
ところが、本人たちは気づいていないけれど、実は劣悪な環境、人間関係、しがらみなどにがんじがらめにされ、さまざまなものを奪われている。『地元最高!』は、そういう女子の“酷い日常系マンガ”です。