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「『地元最高!』は呪いの言葉」突然キレる先輩、違法行為、暴力…それでもアウトロー女子を“地元”に縛り付ける“無知の闇”とは

『地元最高!』アウトロー系編集者インタビュー#2

2022/09/17
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「勤勉な農家のようにシステム化して●●を栽培」

──こはるさんの生業は“アサガオ栽培”とされていますが、大麻を栽培しているんですよね?

『地元最高!』 Ⓒusagi/彩図社

草下 そうです。こはるさんは大麻のグロワー(栽培者)です。

──栽培の説明を読んで、なんというか……育てるには、とても手間暇がかかることがわかりました。

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 シャネルちゃんは教わった手順を守って、きちんと育てようとしますよね。やってることは犯罪ですが、あの回だけ読むと、まるで勤勉な農家みたいで。

草下 ええ。あの回はほぼ、農産物生産者の話ですね。

 グレードの高い大麻は高値がつくので、生産者はできるだけよいものをつくる必要があります。安定した品質をキープするためにも、優良農家のように栽培手順をまとめて、システム化してるんですよ。乾燥に使ってるのは洗濯ハンガーですが(笑)。

──シャネルちゃんが勤勉なのは、上下関係もあるので、きちんと作業しないと何されるかわからないという……。

草下 そうです。こはるさんはすぐボコりますからね(苦笑)。

アウトロー日常あるある「先輩が突然キレて殴ってくる」

──シャネルちゃんはこはるさんから、「夜中も2時間おきに換気、寝るときも正座を崩すな」と言われてますね。

草下 はい。裏社会では、ああいうパワハラは普通にありますね。とにかく変わった人が多いです。

 それはもともと性格がおかしかったり、薬物のせいでさらにおかしくなってる場合もあって。もうむちゃくちゃなんですよね。

『地元最高!』 シャネルちゃんとこはるさん Ⓒusagi/彩図社
『地元最高!』 Ⓒusagi/彩図社

──「なんで!?」という理不尽さの連続ですよね。いきなり殴られたり。

草下 勘違いされて突然キレられる、とかですね。実際、私もいろいろな目に遭っています(苦笑)。

 そういった酷さや、逃げられない人間関係にからめとられる女の子たちの姿も、余すところなくusagiさんが描いています。

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