マンガ『地元最高!』(彩図社)の地元は、劣悪さで支配されている。そこで生まれ育ったシャネルちゃんたちアウトロー女子は、将来、違う未来を選ぶのか、それとも地元という《呪いの地》でずっと暮らすのか……。
担当編集者・草下シンヤさんは「裏社会から抜けるのが難しい理由は3つある」「裏社会の人間は、一般人より地元を出るリスクが高い」と話す。アウトローたちはなぜ、地元に人生をからめとられてしまうのか。(全3回の3回目/1回目を読む)
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アウトロー女子は「ひたむきさ」がゼロ
──普通の日常系マンガの女子には、必ず人間的な“ひたむきさ”があるじゃないですか。
草下 あぁ、シャネルちゃんたちには、ひたむきさは全くないですね。彼女たちの発想は、「なるべく楽して稼ぎたい」なんですよ。
──(笑)。
草下 でも、自分たちには新しいアイデアも手段もない。だから、地元の劣悪な構造の中に組み込まれるしかない……という。
──出口がないですね。
草下 地元には出口がないです。『地元最高!』には、善人なんて一人も出てこないので。だから、抜けるには地元を出るしかないですね。
悪環境から抜け出せない「3つの理由」
──このマンガには、「地元から抜けたくても抜けられない」という悪循環を強く感じます。草下さんがこれまでに見てきた中で、地縁や悪い先輩に縛られた世界から抜けるのは難しいと思いますか。
草下 難しいです。私は、その理由が3つあると思っています。
まずは、「無知」だからです。犯罪行為をやめても、次に何をしていいかわからない。だから現状のまま、地元でやっていくしかない……という、場の構造に組み込まれて終わるケースはとても多いです。
──ちひろちゃんが紅麗亞さんに丸め込まれてしまう様子も描かれていますね。2つめは何でしょうか。
草下 2つめは「共犯関係ができてしまう」からです。
──仲間とのつながりですね。
草下 ええ。シャネルちゃんと紅麗亞さんの関係もそうですが、暴力と金で支配される組織では、犯罪行為を共犯することで、仲間同士の結びつきが強くなります。
反対にそこを抜けようとすると、「裏切ったらどうなるかわかってるよな」と制裁が加えられます。