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──シャネルちゃんや紅麗亞ちゃんたちは、一般的には「知り合いたくない人」「近寄りたくない人」とされそうです。草下さんは、彼女たちのどこに魅力を感じますか。

草下 私は、今の社会の治安は悪化の一途だし、犯罪や貧困層は根絶できないと思っています。その中で、女の子たちが頑張って必死に生きる姿は、シュールですよね。

 で、裏社会の人に実際会ってみると、ただ怖いだけじゃないんですよ。人間的にどこかかわいらしさがあったり、人情に厚かったりする。そのギャップが面白くて。このマンガの女子たちにも、同じものを感じます。

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──やっていることは犯罪でも、人間的な魅力がある?

草下 ええ。紅麗亞さんはえげつないし、●(まる)ちゃんは暴力の塊だし、こはるさんもシャブ中でとんでもないけど……。

裏社会のリアル「基本的に人間関係が理不尽」

──本当に、やってることは酷すぎますね。

草下 そうなんです。でも、usagiさんのキャラには、女の子の記号的な「かわいさ」がちゃんと存在しているので、親近感がわく。そういうマンガの絵的な魅力もあると思います。

『地元最高!』 Ⓒusagi/彩図社

──登場人物はみんな、女子を捨ててないですよね。で、「結構かわいらしいところもあるな……」と思って読んでいると、突然キレる。

草下 そこもリアルなんですよ(笑)。無理を通せば道理が引っ込む、というやつで。

 裏社会は基本的に、人間関係が理不尽なんです。それが本質なので、『地元最高!』にはわかりやすいポジティブメッセージは入っていません。

──ポジティブさは皆無ですね。「酷い→この先どうなる?→やっぱり酷い」という展開です。

草下 ええ。夢と希望を描く作品ではないので。

 彼女たちの日常は、ベースが酷いんですよ。それが他の日常系マンガやアニメとは決定的に違うところですね。でも、なかなかへこたれないので、そのしぶとさもイイなと思っています。

──『地元最高!』の“地元”には、具体的なモデルがあるのでしょうか。

草下 限定的にここだというところはありませんが、イメージの元にしている具体的な場所は、いくつかあります。