「貧困地区の女の子たちのマンガを描きました」
──usagiさん単独で?
草下 そうです。usagiさんはもともと、薬物などをテーマにイラストを描いている人で。
私は彩図社という出版社の編集者で、裏社会や半グレ、薬など、ダーティ&アウトローに関する本を多く作っています。usagiさんとはお互いに興味関心が共通しているので、何度か仕事を依頼していたんです。
──草下さんは作家としても『半グレ』という本を出していますね。
草下 あ、その本の表紙イラストはusagiさんなんですよ。
で、Twitterをフォローしていたら、usagiさんが突然「貧困地区の女の子たちのマンガを描きました」と、自分のアカウントで投稿を始めて。最初の1、2話を見たら、センスがめちゃくちゃよかったんですよね。
「居酒屋で覚醒剤を売るな!」第1話からカッ飛んだ内容
──第1話からカッ飛んでますね。最後の「居酒屋で覚醒剤を売るな!」の看板も含めて。
草下 ですよね(笑)。最初からすごい面白くて。
で、usagiさんと話したら、「ひとつのマンガを長期間描いたことはない」と。それなら、私もシナリオやアイデア出しなど、編集者の視点で協力できるかもと思い、一緒にやろうとお声がけしました。それが6話目くらいの頃です。
「リアル底辺女子の日常を描きたい」
──では、シャネルちゃん、ちひろちゃん、紅麗亞(くれあ)さんなどのキャラクターや、最初の世界設定は、usagiさんがつくったんですか。
草下 全てusagiさんです。きっかけは、usagiさんが家で、女子の日常系アニメを見ていたんですって。
──最近多いですね。女子が音楽やったり、キャンプしたり。
草下 そういうのはだいたい、元気でかわいい女子が出てきて、ストーリーもほっこり癒されるじゃないですか。
でも、usagiさんは「平和な日常ばかりじゃなく、もっとリアルな底辺の世界もあるのでは?」と思ったらしくて。