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「両親は『漫画家になるのは諦めたほうがいい』と…」愛知出身の24歳女性がそれでもプロ漫画家を目指して上京した“悲壮な覚悟”

多摩トキワソウ団地 #2

2022/09/25
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漫画家を目指すようになったきっかけ

「小さい頃は『プリキュア』が好きでした。ほかにも『あたしンち』のような、ちょっとコメディタッチのアニメも見ていましたね。

 小学1年生のときは『ちゃお』が大好きで読んでいましたが、途中からは叔父が読んでいた『ドラゴンボール』に影響を受けるようになって。そこから『週刊少年ジャンプ』を読むようになりました」(古海さん)

古海さんの本棚にはマンガがぎっしり並べられていた

 小学校3~4年の頃から漫画家を目指すようになり、漫画を模写する形でイラストを描き始めた。中学生になってからは、しっかりとコマを入れた作画にチャレンジし、中学2年生で初めてコンテストに作品を応募。

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 以降、中学・高校・短大と、学校に通いながらコツコツと漫画を描き、賞に応募し続ける。その熱意が結実し、短大1年目のときに、少年漫画雑誌の編集者とつながることができたのだ。

多摩トキワソウ団地で過ごす1日のスケジュールは?

 ここで、多摩トキワソウ団地で生活する古海さんの、1日のスケジュールを紹介しよう。

8時:起床。自室で朝ごはん、ゴミ出しや片付けなど簡単な家事をする
9時~10時:作画の練習タイム
12時~13時:ネームに没頭。気晴らしに買い物や散歩に出かけることも。時折ユニットメイトと談笑
13時~24時:応募用の作品の作画作業、合間に食事をとる

 朝起きて家事をこなしたあとは、1日のほぼすべての時間を漫画に捧げているといっても過言ではない。

「仕事をしながら漫画を描いていたときは、生活が不規則だったし、徹夜することもありました。でも今は漫画制作を中心に生活できていることもあって、徹夜することは基本的にないですね」(古海さん)

常に学びながら漫画制作に取り組んでいる

 1人で作業していて気が滅入ったときは、ルームメイトと共用スペースに集まって「もくもく作業会」を実施している。「もくもく作業会」とは、2人以上で集まって、それぞれの仕事や作業を黙々と行う会のこと。互いの目がある状況で作業をすると捗るため、気分転換もかねてこうした時間を設けているそう。