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「両親は『漫画家になるのは諦めたほうがいい』と…」愛知出身の24歳女性がそれでもプロ漫画家を目指して上京した“悲壮な覚悟”

多摩トキワソウ団地 #2

2022/09/25
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「1年くらい生活できる貯金はあるので、今はそれを切り崩しながら漫画制作に専念しています。漫画だけに没頭できる環境が嬉しいですね。

 学生時代、両親は『漫画家になるのは諦めたほうがいい』とたしなめてきましたが、最近は私が本気なのを感じて、『親としてはさみしいけど、やるなら頑張って欲しい』と応援してくれているんです。だから何としてでも、デビューしたいと思っています」 (古海さん)

入居1年目の古海さんが思い描く3年間のプランとは?

 団地の入居期間は原則3年間に設定されているため、入居者は3年以内に何かしらの結果を残そうと奮闘する。入居1年目の古海さんに3年間のプランを聞くと、自身の考えを明確に語ってくれた。

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「自分と同年代の人たちの受賞報告を見ると、やっぱり自分も早く受賞したいと思う。だからまずは、この1年でなんとか結果を出して、その後の2年は連載獲得に向けて時間を費やしたいですね。とにかく、入居期間の3年以内には連載を決めたいです」

同年代の仲間たちと切磋琢磨して連載獲得を目指す

 ただし、入居期間の3年間が経過しても、継続入居するかどうかを話し合う「ステージ面談」で継続入居を希望すれば、多摩トキワソウ団地に住み続けることも可能だ。もし古海さんが3年間で自身の目標を達成したら、多摩トキワソウ団地を卒業するのだろうか。それとも、継続入居をしてさらなるスキルアップを目指すのか?

「うーん……そのときになってみないと、正直わからないですね。完全に連載が決まればいつかはここを離れたいけど、もし仮に連載が決まっても、もっとここで仲間と切磋琢磨したいと思うかもしれない。

 そのときはステージ面談で、熱意をしっかりアピールしようと思います。この場所には『これからもっともっと頑張ろう!』と気持ちを奮い立たせてくれる空気がある。だから入居している間は、仲間たちに刺激を受けながら、そういう気持ちをたくさん味わいたいですね」(古海さん)

撮影=三宅史郎/文藝春秋

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